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カテゴリ:産婦人科医療
マラウィという国をご存じだろうか?
アフリカの東南部にある内陸の小国で、人口は1300万人ほど。ちょうど日本の十分の一ほどの人口。 その国から二人の産婦人科医がうちの病院に見学にやってきた。 日本がどのようにして、世界で最も赤ちゃんが死なない国になったのかを知りたいという。 1000人の生まれた赤ちゃんにつき、1才までに亡くなる人数を乳児死亡率と言い、、日本では3であるが、マラウィではこれが122。なんと40倍だが、おそらく統計の数字に登らない死亡が相当数あるので、実際はもっと多いだろう。妊娠、出産、新生児死亡と、一度も医療機関を経ることなく事が終わってしまう例が圧倒的に多いらしい。 我々が日常的に行っていることが、彼らには驚きの連続のようだ。 正常の妊娠であっても医師が妊婦健診を行い、出産も立ち会っていることが彼らの国では考えられ無いようだ。話を聞けば、産科医が国全体で8人!しかいないとのことで(そのうち2人がここにに来てていいのかいな(^ ^);)、ほとんどの出産がmidwife立会の元での自宅出産。当然よほど異常が無い限り妊婦が医師の前に現れることは無い。 しかも彼ら医師の元に患者が運ばれてきても、すでに胎児が死亡していたり、妊婦が亡くなってしまっていることが多いそうだ。 妊娠・出産に積極的に医療が関わっていく必要性をひしひしと感じてくれたようである。 さらに彼らが驚いたことの1つに、日本の医師の過酷勤務がある。彼らが見学に来たときは私は当直明けで、連続して30時間以上働いており、この後も手術やカンファレンスがあって、帰れるまであと6時間ぐらいあること、こんな勤務を月に5~6回はこなさなければならないことを話すと、 "Incredible! Your wife will leave you!"と脅されてしまった(^ ^); てっきり彼らの方が過酷勤務をこなしているんだろうと思ってたけど・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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