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カテゴリ:突発性難聴体験記
一体どんな病気が得意なのか?病院以上にわかりにくいのが鍼灸院だ。特に突発性難聴は鍼灸のなかでも特殊分野らしく、扱っているところは少ないようである。ネットで探すと東京や大阪などでは突発性難聴治療を売りにしているところがあるようだが、地方在住の我々にとって通うのはむずかしい。大阪にある突発性難聴を得意とする鍼灸院に電話してみたら、鍼灸師自身が電話に出たみたいだが、「今そちらで病院の治療を受けておられるなら、まずそれを優先して下さい。特急電車に2時間も乗る方が耳に障ると思いますし。」との返事。なんか声のテンションが低くてやる気がなさそう。東京なんかだと新幹線通院を推奨している有名な突発性難聴専門鍼灸院もあるのになあ。
更に探してなんとか車で1時間で行ける鍼灸院を見つけたので、入院中から外出して通うことにした。高圧酸素治療開始後も合間を縫って週3回程度通院。突発性難聴に興味があって症例を蓄積したいとのことで、施術料が1回3500円のところ、突発性難聴患者に限り2000円と安い。うーん、これはまだ症例数が少ないからまずいとみるべきが、熱意を買って治療効果を期待すべきかちょっと迷ったが、他に選択枝が無いので通うことにした。 40才ちょい過ぎのおっちゃん鍼灸師で、気さくなどこにでもいるおっちゃんという感じ。ベッドが6つほどあって、けっこう人気があるようで常に複数の患者を助手の奥さんといっしょに治療している。建物に入るなりプーンとお灸の臭いがする。当たり前か。 まずは問診、病院での治療経過を説明し、オージオグラムを見せた。オージオグラムは見慣れているようだ。「この1000ヘルツのとこだけが落ち込んでいるのはわりと珍しいですね。両耳の4000ヘルツが落ちているのは以前からですか?」 「はー、そこは長年バンドやってるせいで以前から徐々に落ちてきたみたいです。けど1000ヘルツは3月29日の夜に突然聞こえにくくなったんですわー」 「1000ヘルツのところは会話域ですし落ちるとつらいですよね。1回や2回の施術では治らないかもしれませんが、鍼灸の場合西洋医学とちがって発症後2ヶ月程度は聴力改善の可能性が残されていると考えてますし、実際2〜3ヶ月かけて徐々に良くなった方もいらっしゃいますのでとにかくやってみましょう。」N病院の脳外科ドクターの頭ごなしに出鼻をくじくような言い方とは大違い。 で、どんな治療をするにかを大まかに説明してくれた。お灸と言っても昔おばあちゃんが腕にもっこりとモグサをのっけて火傷を作りながら我慢してたようなやり方ではなく、耳かき1杯程度のモグサに線香みたいなもので火をつけて、少しツボを暖めるというやりかたらしい。ハリの方はディスポのものを使うので感染の心配は要りませんとのことだった。 難聴の治療だから耳のまわりばかりやるかと思えばさにあらず。お腹、背中、ふくらはぎ、足首、前腕といろんなところに耳のツボがあるらしく、それらに順番にお灸していく。確かにそれほど熱く無い。たまに「あちっ」となる程度。 首を支える胸鎖乳突筋という筋肉が左右両側にある。耳が悪くなってからやけにこの筋肉が凝っているのが自分でもわかっていたが、鍼灸的にも胸鎖乳突筋は耳と強く関連しているとのこと。胸鎖乳突筋の後縁から耳介の後方にかけてたぶん10カ所くらいだろうか、ハリをうっていく。痛いことはないが、「あ、そこツボやな。なんかきゅーっとくる」という感じ。丹念に触診しながらツボを見極めて施術していくところがベテランぽい感じ。 それとちょっと意外だったのは、スーパーライザーという器械で首元の星状神経節に近赤外線を照あてるというもの。これは星状神経節ブロックと類似した効果をねらってやるらしい。このあたりは西洋医学的でもある。 なんやかんやで1回の施術に1時間15分程度かかる。まあ、適当に雑談しながらやってくれるので長くは感じない。治療のことを「手当」と言うが、まさに手当してもらっている感じで癒され感はあるなあ。これで2000円というのは良心的な値段だ。効果の程はまだまだわからないが・・・ 続く・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.05.04 11:34:23
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