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2015.05.11
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カテゴリ:突発性難聴体験記
決定的な治療法が無い突発性難聴。
一体この病気の治療法はみつかるのだろうか?いろいろと近年の文献を探し回っていて画期的と思われる研究が2つあった。

一つは京大で試みられているIGF-1(インスリン様成長因子)を用いた治療で、すでに臨床治験段階に入っている。鼓膜から鼓室内にゲル状のIGF-1を注射器で注入し、内耳に吸収されるIGF-1が有毛細胞の再生を促すというものだ。
一般向け解説はこちら。
英語原著はこちら。
あと2〜3年もすれば実用化されるのでは無いだろうか?

もう一つは、これは発想の大転回というべきだが、突発性難聴発症早期から患側の耳で音楽を聴くようにすると聴力の回復がよくなるという自然科学研究機構生理学研究所の岡本秀彦氏の臨床研究。
一般向け解説はこちら。
英語原著はこちら。
今でも耳鼻科医の間では突発性難聴になったら患側の耳ではできるだけ音を聴かないようにして休ませるというのが鉄則になっている。岡本氏の研究のように、健側の耳は耳栓で塞いで、患側の耳にだけヘッドフォンをあてて1日6時間も!音楽を聴かせ続ける(もちろん適正な音量だが)ことで聴力の改善を図るなんていうのは大方の耳鼻科医にとってはとんでもないということになるだろう。

岡本氏の考えの根底にあるのは、「突発性難聴は内耳の障害だが、内耳障害によって脳の聴覚中枢に刺激が行かなくなると中枢の音の認識機能も衰えてしまう。敢えて健側の耳を使わずに患側の耳を使うことで患側の聴覚中枢の機能を保つことが聴力の改善に繋がる」ということらしい。論文を細かく読むと、症例数も充分だし適切な統計的処理がなされている。対象例が音楽鑑賞可能なレベルの突発性難聴患者に限られるため、上記のIGF-1の対象患者より軽症例が多いので一概に言えないが、IGF-1よりも聴力改善効果は優れているようにも思える。
しかし、この論文が発表されてすでに1年以上が経っているのに、どこの施設も追試しようとしないのは何故だろう?特別な試薬も設備も必要が無いからすぐにでも実施可能な方法なのに。
ちなみにこの論文のコピーを私の担当医に渡して、「先生、こんな治療法も発表されてますがどうなんでしょうね?」と聞いたところ、「突発性難聴では耳を休ませることが大事ですから」と一蹴されてしまった(^ ^); 比較的若い私の担当医ですらこうだから、「突発性難聴患者に6時間も音楽を聴かせるなんて耳にいいはずがない」と大方の耳鼻科医は思っているのだろう。

実はこの論文の存在をネットでみつけてくれたのはうちのカミさんである。それを読んで私は時々ヘッドフォンを使って小さい音量で右耳で音楽を聴くようにしていた。落ちている1000ヘルツあたりをイコライザーで持ち上げて(論文でも落ちている周波数帯をイコライザーで補正している)。しかし6時間というのはとても無理だ。やはり耳が疲れてしまう。30分か長くてもせいぜい1時間が限度だった。しかし左右で周波数のズレがあるにも関わらず両耳で違和感なく音楽が聴けているのはこのトレーニングのおかげかもしれないと勝手に思っている。
せっかく日本の研究者が発表しているのだから、是非とも日本で追試してもらって効果的なプロトコールを作ってもらいたいものだ。

さらにもう一つ、まだ具体的な論文は出ていないが、最も期待されているのはiPS 細胞を用いた内耳有毛細胞の再生だろう。実際にマウスの内耳の有毛細胞の再生は成功している。
http://l-s-b.org/2014/06/ips-think/
超えるべきハードルはたくさんあるようだが、実現すれば突発性難聴の治療は根本的に変わるかもしれない。

こうして見ると、世界的に見ても治療の困難な突発性難聴の画期的治療法が日本から生まれる可能性は充分に高いように思われる。しかし耳鼻科医全体のモチベーションが高くないと、臨床治験一つにしても中々進まないのではないだろうか?門外漢がえらそうなことばかり書いて恐縮だが、このやっかいな病気の治療法を何としても確立してほしいと願う。





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Last updated  2015.05.11 13:25:52
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