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2015.05.13
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カテゴリ:突発性難聴体験記
放置プレイだったこのブログに4月26日から私の突発性難聴の経過を書き出して以来、アクセス数がどんどん増えてきて、今や毎日200人近くの方が読んで下さっている。
それだけ突発性難聴の患者さんが多いと言うことだろう。私がそうだったように、病床でパソコンを広げて「突発性難聴 闘病」などをキーワードに検索してたどり着いて下さった方も多いのではないだろうか。

私も多くの方の突発性難聴闘病記を読ませていただいた。経過は人によって千差万別ながら、みなさん戸惑いながら不安の中で治療を受けておられることは共通している。

突発性の名前が示すとおり、正に突然発症するこの病気に対して前もって充分な知識を持っている人などいない。ましてやどこでどんな治療を受けるのがベストなのかなんてわかるはずも無い。しかも最初の2週間が勝負ときている。医師である私でさえあれこれ考えているうちに時間が経ってしまい悔いを残すことになってしまった。

結局どんな治療を受けることができるのかは、住んでいる地域や最初に診た耳鼻科医の考え方によって決まってしまう。要するに運任せなのである。患者は後になってネットであれこれ情報を仕入れていくうちに、「こんな治療法もあったのか」とか「最初からあの病院に入院していれば治ったのかも知れない」と思いを巡らせることになる。
治った人はいいが、治らなかった人は大きな悔いを残してしまう。

誰もが最も有効な治療を初期から受けられるようにするには、各県あるいは各地域で突発性難聴センター(突難センター)を作って、突発性難聴と診断された患者を全員そこに集めて、統一したプロトコールの下で最善の治療を受けられるようなシステムを構築する必要があるのではないかと今考えている。

私は産科医だが、未熟児をどうやって助けるかが大きな課題である。私の住んでる福井県は人口90万程度だが、県立病院と大学病院の2カ所に周産期センターがあって、早産になりそうな妊婦は県内各地から救急車で母体搬送される。未熟児は搬送中に弱ってしまうことが多いので、母の胎内にいるうちに母体搬送した方が明らかに予後がよくなる。
周産期センターに必要なのは産婦人科医と小児科医はもちろん、いつでも手術が行える設備と麻酔科医が必要になる。もちろんNICU(新生児集中治療室)は必須であり、そこでも多数のスタッフや医療機器が必要となる。膨大な人的物的資源が必要なのである。
切迫早産で未熟児が生まれそうな妊婦は、最初は開業医であろうが一般病院であろうがどこで妊婦健診を受けていようとも担当産婦人科医の責任の下に適切な時期に周産期センターに母体搬送されて、未熟児は手厚い治療を受けることができる。
「未熟児で生まれちゃったらどこにお願いしたらいいのか?」とか「早産の徴候があると言われたけどこのまま今の病院で診てもらっていていいのか?」といったことを患者自身があれこれ悩む必要は無いし、どんな治療が受けられるのか運任せということも無い。
2つの周産期センターは常日頃から連絡を取り合っており、定期的にカンファレンスも開かれているのでお互い切磋琢磨して治療成績を上げている。当県の周産期死亡率を下げてきた非常に有効なシステムなのである。産婦人科医、小児科医をはじめ周産期医療に関わる人達の熱意と行政の協力があってこそ生まれたシステムである。

周産期センターを作ることを思えば、突難センターを公的病院の中に作ることはずっと容易だろう。
まず夜中に人員を確保しておく必要が無い。手術の準備をしておく必要も無い。高圧酸素治療の設備は必要だが、NICUを作る費用に比べれば全然問題ならない金額である。
要するに日中の時間帯に耳鼻科医、(星状神経節ブロックの上手な)麻酔科医、ナース、技師などがいて、紹介患者が来ればいつでもステロイド、星状神経節ブロック、デフィブラーゼ、高圧酸素治療などが行える態勢であれば充分なのだ。東京や大阪などの都会ならすでにそれだけの機能を有する病院がいくつもあるので、それらをそのまま突難センターに指定すればいい。
開業医であれ病院の医師であれ、とにかく耳鼻科を受診した患者に突発性難聴と診断をつけたら、その医師は必ず患者を突難センターに直ちに紹介することを義務づけてしまうのである。
そうすれば患者が右往左往することなく、最善の治療が受けられる。

いくつかハードルはあるだろう。
突難センターでどのような治療を標準治療とするかが最もむずかしいところだろう。門外漢の私見を述べれば、医学的禁忌が無い限り上記の治療法を初期から全て(デフィブラーゼと星状神経節ブロックのみ二者択一)同時併用して集中的に治療するのが今考えられる最善の方法だと思う。自分がこれから治療を受けるなら是非そうしてほしい。現実にはステロイド→デフィブラーゼ→高圧酸素治療と順を追っての治療しか受けられなかったことは今でも悔やまれる。「まず一つの方法で治療して効果をみてから次の治療をやれ」みたいな大学のえらい先生の考えでは、治療のゴールデンタイムはあっという間に過ぎてしまう。

センター化することのさらなるメリットは、症例数が集まってくるので、各施設がバラバラの方法で治療をしているよりはずっとしっかりした統計を取ることができる。これが何よりも治療の進歩に役立つのではと思う。

私がこのブログで縷々述べてきた、今の突発性難聴に対する医療システムの矛盾はこうすることによってしか解決できないだろう。
しかしこれもまた、耳鼻科の先生方が熱意を持ってそういうシステムを作ろうと立ち上がってくれなければ全く実現は不可能である。





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Last updated  2015.05.13 22:52:20
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