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カテゴリ:頚癌ワクチン
最近頚癌ワクチンとその副作用に関する報道を読んでいて空恐ろしくなってきた。何がって、もちろん副作用が恐ろしいわけでは無い。ワクチン悪玉説ありきで事実がねじ曲げられ、信じられないようなことが起こっているからだ。 まずは今年3月に名古屋市が若い女性を対象に行った疫学調査の結果だが、最初に公表したデータを名古屋市は自ら削除してしまった!かわりに「調査結果」として全く統計処理がなされていない素の数字のみの公表に切り替えてしまった。 最初のデータではロジスティック回帰分析による統計処理がなされていて、一般の人が見ても、「副作用被害者といわれている人達の症状はワクチンと因果関係は無い」ということがわかるようになっていた。だから私は「名古屋市の勇気ある発表には敬意を表したい」と書いたのである。ところがその肝心の統計処理した結果が削除されてしまったのである。 これではほとんどの人が調査結果から何を読み取るべきなのかわかるまい。というかわからないようにするために削除したとしか思えない。 なぜこのような差し替えを行ったのか?これについて名古屋市の担当者の回答は極めて歯切れが悪い。どこからか圧力がかかったことが見え見えである。 最初のデータが発表されたときにマスコミは何の反応も示さなかったのに、このデータが消されたことについてだけは、「名古屋市は以前公表した結果を撤回しました」と報道し、以前の「因果関係なし」が誤りだったかのようにミスリードしている。 さらにもっと不可解なことがある。頚癌ワクチン副作用被害に関する厚生労働科学研究事業を請け負った信州大学内科の池田教授によるデータ捏造である。 彼は「頚癌ワクチンによって脳内に異常な抗体が沈着することを動物実験で確認した」と今年3月16日に発表し、マスコミもいっせいにこれを取り上げた。これぞ頚癌ワクチンが危険であることの科学的証拠というわけだ。 ところがこの研究のデータは捏造の疑いが濃厚であることがわかってきたのである。結果ありきで自分に都合の悪いデータは出さずに都合のいいデータだけを出していたのだ。STAP細胞騒ぎも真っ青な話である。詳しくは しかしこの捏造疑惑に関してマスコミはほぼ黙殺状態である。池田教授の発表を鵜呑みにして取り上げたマスコミには捏造疑惑も報道する義務があるはずだ。なのにワクチン悪玉説を否定するような事実はいささかも報道しようとしない。 そして頚癌ワクチン被害者が集団提訴に踏み切ったのが3月30日。提訴するにはそれなりに準備が必要だし、思いつきではできない。このタイミングで提訴したということは、池田教授の研究結果が公表前に訴訟の弁護団には伝わっていたと考えるのが妥当だろう。 この教授さらに「本当に研究者なのか?」と思わせる行動に出ている。捏造疑惑記事が名誉毀損にあたるとして、筆者村中璃子 (医師・ジャーナリスト)を提訴した。まずこれからして、え?と思わせる。捏造していないのなら、データの基となっている実験ノートなどの詳細を開示することで疑惑を晴らそうとするのが研究者というものだろう。 そして驚いたことに、この名誉毀損裁判の池田教授側の弁護士というのが薬害エイズ訴訟やC型肝炎訴訟の原告支援団体である薬害オンブズパーソンの弁護士なのである。 詳しくは こうして見てくると、事実がねじ曲げにねじ曲げられて、何としても頚癌ワクチンを悪玉にしようという流れがあることに暗澹たる気持ちになる。 マスコミはこれらの経緯を知りながら、報道しようとしない。なぜならワクチンが実はシロであり、被害者と称される人達は被害者では無いのかもしれないなどということを報道しようものならたちまちバッシングの嵐になるだろうと恐れているからだ。 頚癌ワクチンと同じように、因果関係が無いのにワクチンが悪玉にされてしまった例が過去にもある。 イギリスの医師Wakefieldが1998年に「MMRワクチン(麻疹 風疹 おたふくの三種混合ワクチン)によって自閉症が起こる」という論文を、Lancet(医学雑誌としては最も信頼生が高いものの一つ)に発表したために、ヨーロッパ全体で接種率が下がり麻疹の流行がみられた。しかし2009年になってこの論文が捏造であったことが発覚してLancetはこの論文を抹消、Wakefieldは医師免許を剥脱されている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.09.21 10:33:45
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