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B.C.B.G.な暮らし

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2007.04.02
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テーマ:京都。(6100)
カテゴリ:Kyoto
みなさまのコメントを読みながら、

谷崎潤一郎の「細雪」を思い出しました。



幸子と、その夫、貞の助、妹の雪子と妙子。
それから貞の助夫婦の一人娘の悦子はそろって、毎年お花見さくらに行きます。

行く先は、“月並み”な京都。


枝垂れ桜.jpg

枝垂れは染井吉野より、すこし遅いです。もうちょっとですね。。。




その日のために、女性たちは、羽織、着物、帯の心配から、
その日の天候、花の咲き具合にいたるまで、贅沢で余計な心配を重ねたあげく、
行くのですよね(笑)

出かけるのは、土曜の午後で

まず、 南禅寺の”瓢亭“で早めの夜食をとり、
毎年欠かしたことのない、祇園の都をどりを見物してから
帰りに祇園の夜桜さくらを見ます。

その晩は、麩屋町の旅館に泊まって、
あくる日は、嵯峨野から嵐山へ行き、中の島でお弁当。

午後には、平安神宮の神苑の桜。さくら

このコースをみていますと、かなりの強行軍。それも人出が多いところです。
しかも桜見物だけでなく、京料理に都をどり、盛りだくさんですね・

着飾ったまま、これだけのスケジュールを疲れもみせずにこなせる
家族がいったいどれだけあるでしょうか。。。

これほど優雅なお花見を一生の間に一度でもできれば、
幸せだなと読みながら思ったのを思い出しました。


最後のクライマックスの平安神宮

    彼女たちが、いつも平安神宮行きを最後の日に残しておくのは

    この神苑の桜が洛中における最も美しい、最も見事な花であるからで・・・
     
    まことにここの花を措いて、京洛の春を代表するものはないといってよい。



とても”月並みな" 枝垂れ桜なのですけどね。

大きな傘を開いたような濃いピンク色の花を
糸でたらしたかのようにいっぱいにつけた桜の木。さくらさくら

美しいのだけれど、きわめつけで、どうしようもなく俗でもあります。

幸子は、この桜を夕刻にかかる薄明かりの中で、眺めるという心にくい気配りをします。

桜は、朝と夕刻が最も美しいと思います。

しかも、見る人は、2日にわたる行楽で体は疲れ、感覚だけはさえているという状態。

本当に心憎いクライマックスですね。




細雪の世界。 絢爛豪華な世界なのですが、

実は、意外に月並みな花鳥風月的好みのうえに成り立っていますね。

しかし、その月並みさは、

長い日本文化の伝統に上に積み重ねられた実は奥行きの深いものなのでしょうか。

    







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Last updated  2007.04.03 00:35:26
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