日本の世界観
西洋の場合は、神聖ゴッドです。 唯一絶対の神。 宇宙、天地を創り出した創造主、これが神です。 絶対の存在ですね。 ゴッドは全知全能ですから、完璧な存在です。 そしてすべての答えはそこにあります。 おそらく人格も高潔、 捻(ね)じ曲がった性格というのは 考えられないですね。 だから、人々は少しでも神に近づきたいと、 正しい神への道を歩もうとします。 これがキリスト教の世界観です。 それに対して『古事記』は、 大宇宙があって、 あとから神様が生まれました。 そして、この神様は不完全なのです。 西洋では全知全能の神なのですが、 『古事記』での神は不完全なのです。 神様だって恨んだり、 嫉妬したり、いじけみたり、 いろいろと感情をむき出しにするのです。 まるで人間と同じような感じなのです。 ですから、全知全能の神、 もしくは創造主としての神、 そのような神様は日本の世界観には登場しません。 『古事記』の書き出しを見るだけでも、 そういった性格の違いが明らかです。