カテゴリ:日本と中国の関係
[中国人として反日行動に参加することは正しい。愛国精神によるもので、中国人なら誰も咎める動きではない。ただ、暴力は良くない。反日行動に伴う暴力的行為は、国際社会に中国人の文明の低さを曝け出すものであり、一部の国家分裂主義者によって利用される危険性もある....]
この一両日で、中国世論の大勢はこのようにまとまりつつあるように思われます。 中国政府当局の「中国に責任は無い」発言は、日本では「暴力行為を招いたことにも責任が無い」と受け取られていますが、正確には「こうした動きが起こった背景」に対して責任は無い、と言う発言で、日本に対してよりは中国国内に向けての意思表明と考えたほうが良いとでしょう(中国情報局。一方で、反日行動を呼び掛けた団体の一部では、「冷静に行動するように」と声明を出しています(中国918愛国網・中国語。Sankei Webにも一部引用)。 もともと中国政府当局が仕組んだかどうかは別として、いま「反日」が中国の民意になろうとしています。暴力的行為はコントロールはできたとしても、盛り上がった民意を抑えこむことは、政府への不満に直結するという状況ですから、反日行動は非暴力化でエスカレートする危険性が十分にあります。 非暴力的な反日行動として真っ先に思い浮かぶのが、不買運動です。週末の北京でのデモも暴力行為が突出してしまいましたが、その目的は反日の意思を日本ブランド製品のボイコットによって示そう、と言う呼び掛けです。「反日」が中国の"民意"だとすれば、過激な行動が抑制されたとしても、"静かな"行動としての日本ブランドの不買・ボイコットは長く続く危険性があります。 昨年末のエントリーで私は、2005年に中国において日本ブランドの不買運動が起きることを「2005年問題」として既に予測していました。 現在の反日行動の流れは、そのまま「五四」((列強排斥を目指した五四運動が始まった5月4日))まで継続すると思われます。そして2ヵ月後には盧溝橋事件発生の7月7日を迎え、8月15日(対日戦勝60周年)、9月18日(満州事変の発端となった柳条湖事件発生の日)と、今年でなくとも反日機運が高まる時期を迎えるわけです。 BtoBの影響はどちらかと言うとミクロ的なことで、企業レベルでの対応と対策が可能な問題だと思います。しかし、日本ブランドの不買・ボイコットとなるとマクロな問題であり、一企業として対応することは非常に難しいと感じております。すべての中国の消費者に対し、"誤解"を解き理解してもらわないと、簡単には収まらないような気がします。 こうしたリスクを想定して、2005年の営業計画を作成しておいた企業はあまり慌てなくとも済むと思いますが、反日行動のBtoCビジネスへの影響を楽観視するのは危険だと思います。私個人としては、日本政府が有効な対応をしない限り、早くて9月いっぱい、多分年末まで、反日行動が断続的に続くと考えています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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