カテゴリ:IT・ネット・モバイル・コンテンツ
以前、エレベータ広告屋としてこちらのブログでも取り上げたことのあるFOCUS MEDIA(分衆媒伝)という、自社で設置した液晶モニタで広告を流す、スクリーン広告を手掛ける中国の広告会社が、中国最大のインターネット広告会社であるAllyes(好耶)を2.25億USドル(約300億円)で買収したそうです(eNet.com.cnほか)。
2006年の中国のネット広告市場は60億RMB(約900億円=iResearch発表)くらいで、Allyes(好耶)は5億RMB(約75億円)ほどの売上があったと考えられ、売上高では中国トップのネット広告会社です。 ちなみに、日本のネット広告市場はモバイルも含めて3,630億円(電通発表)。ネット広告会社トップのサイバーエージェントの06年の売上は250億円くらい(同社公開資料より)、時価総額は720億円くらいです。 中国のネット広告市場は、日本の5分の1以下、トップ広告会社の売上は3分の1以下にも拘らず、買収価格(時価総額)は2分の1ちょっと、ということになります。とは言えインターネット広告の伸び率は、日本が30%程度なのに対し、中国は50%くらいですし、広告取引に電通や博報堂のような"オールド・エージェンシー"が介在することが少ない中国では、ネット広告会社の収益性も高いので、300億円のお買い物は、決して割高とは言えないでしょう。 AllyesはアメリカのIT情報企業IDCのVC会社とNASDAQへのIPOを目指していたのですが、一足先に上場を果たしたFOCUS MEDIAからの買収を選んだわけです。IDCは7,500万USドル(約90億円)ものキャッシュを手に入れたことになります。 これまでのFOCUS MEDIAは、どちらかと言うとロウ・テクでした。スクリーン広告で流す映像も、ネットワークで配信するのではなく、広告映像の入ったDVDを自転車に乗ったお兄ちゃんが一箇所ずつ取り替えて回る、といったものでした。メディアとして競合するためか、インターネット広告事業も泣かず飛ばず、といった感じだったのです。 いっぽう、FOCUS MEDIAの最大の強みは、数多くのクライアントを抱えているということ。しかも、オフィスビルのエレベータホール前や高級量販店の店内に設置されているスクリーン広告のターゲットはインターネット広告のターゲットと一致していて、コラボレーション効果も高いと思われます。 テレビ広告なんかで"無駄打ち"しなくとも、スクリーン広告からのネット誘導が可能ですから、広告主にとってもコストパフォーマンスの良いメディア・ミックスをワンストップで行えるようになるかもしれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.03.04 18:57:13
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