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2007年4月4日にGoogle(中国)は中国語の入力システム「Googleピンイン」を発表しました(Nikkei BP Net)。
中国語入力システムは、日本語同様Microsoftが無料で提供しています。でも、あまり入力効率が良く無いようなので、別な入力システムを利用している方も多いようです。 日本のATOKにあたるような有料の製品版としてはUNIS(清華紫光)があります。ほかにも、部首入力に似たウービー(五筆)のようなピンイン(日本語のローマ字入力のようなもの)以外の入力システムなど、ネット上で無料でダウンロードできるようなものもたくさんあります。 フリーの中国語入力システムの中で人気が高いのが、捜狗輸入法(SOGOU Input System)です。これは、中国の老舗ポータルサイト「捜狐(SOHU)」の検索サイトである捜狗(SOGOU)が開発したもので、もちろんだれもが無料で利用できます。 残念ながら日本語OSには対応しておらず(英語OS対応版はあります)、私は利用したことが無いのですが、自社調査によると単語変換の正確さはMicrosoft Pinyin IM 2007より25%も高いそうです。きっと、辞書がいいんだろうなぁ、と素人ながらにも思ったりしていました。 こうした中、"言葉の魔術師"Googleが中国語入力システムを発表したと言うことで、中国でも期待が大きかったと思います。ところが...... 「Googleピンイン」の辞書データベースが盗用だったことが明らかになったそうです(CNET Japan)。しかも、こともあろうかGoogleがライバル視していたであろう捜狗輸入法(SOGOU Input System)からパクった、というから驚きです。 Google自身も自社ブログで、4月4日の1st リリースには実験段階で使っていたGoogleのモノではないデータベースが含まれていたことを認め、ユーザーと捜狐(SOHU)に対するお詫びの意を表わしました。しかし、4月8日正午にリリースしたVer.1.0.17.0からは、Google独自で開発した辞書データベースを使用している、と表明したのです。 これに対して、捜狐(SOHU)側は4月8日のバージョンも、変換一致率が80%近い。許容範囲は4割くらいだ~、最新バージョンもこ盗用だろう、と言っているそうです。 ちなみに、百度(Baidu)とGoogle中国では検索結果が大きく異なります。最初のページの一致度は平均30%くらいでしょう。もちろん、SEOの効果に拠るところもありますが.....。 さて、Googleが組織的・意図的に捜狗輸入法(SOGOU Input System)の辞書データベースをパクっのかは、疑問が残ります。個人的にはそうでないと信じたい気持ちです。 ただGoogle自身も認めるように、1stリリースで捜狗(SOGOU)のデータベースが使われていたのは事実です。開発過程でダミーのように使っていた他社の辞書が、たとえ"試供品"とはいえ公にリリースされてしまうことなどあり得るでしょうか?担当者レベルの単純なミスだとしても、Googleの管理体制は非難されるべきでしょう。 或いは、Googleですら、中国でビジネスをしているとパクり体質になってしまうのでしょうか? 当然ソフトウェアも含まれる知的財産侵害でアメリカが中国をWTOに提訴したばかりだというのに(東京新聞)、こともあろうに今やそのアメリカを代表する企業とも言えるGoogleが中国企業の知的財産をパクるなんて....。 Googleには、納得のいく事実の説明をお願いしたいものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.04.10 21:35:25
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