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北京ビジネス最前線改め中国ビジネス後方基地

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2007.04.11
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NIKKEI NETの『中国ビジネス特集』に富士通総研の金堅敏さんという上席主任研究員のインタビュー記事が掲載されていました。タイトルは、「日本企業が中国でつまずく4つのポイント」。金さんのご意見の多くに、私は共感を得ました。

まず日本企業の中国ビジネスは、自動車、デジカメ、コピー機を除くほとんどの分野で、うまく行っていない、との認識。
このニュースサイトの主である日本経済新聞社やNHKをはじめ、多くのメジャーな日本のマスメディアが、中国市場における日本の活躍を伝えています。そのほとんどは、提灯記事或いは広告取引などメディアへの便宜供与と引き換えに伝えられたものと言っても言い過ぎではないでしょう。中国でつまずいている企業については、週刊誌などのマイナーなメディアが、やや大袈裟に伝えたりしています。こちらも、広告予算の少ない企業を対象としているか、或いはあまり広告収入に依存していないメディアによるものか、或いは根っからの中国嫌いのジャーナリストの手によるものか、いずれかが多い感じでしょう。
大手企業が中国ビジネスで失敗したことを、教訓を込めてでも報道しているメジャーなメディアはほとんど無いでしょう(これも伏線)。

金さんは、日本企業が"つまずく"ポイントとして4つ挙げているいますが、その一つめは製品やサービスを投入するポイントが遅れていること。つまり中国のマーケットの分析ができていない結果です。
二つめは人材登用の問題、三つめは経営状況の本社との共有ができていないことで、四つめに挙げたのはPRや政府との関係作りが遅れていることです。つまり、コンシューマとのコミュニケーションが不足している、とも言えるわけです。
現地調査に基づく、日中米企業の競争優位性によると、日本企業は製造技術や生産・品質管理での評価は高いようですが、ブランド力やマーケティング力での評価は低いのです。総合評価でもアメリカ系、ヨーロッパ系企業に大きく水をあけられ、第3位に甘んじていると言う状況です。

ステキな技術や完璧とも言える品質管理のノウハウがあって、少し中国向けに作り変えれば、中国でも大儲けできるような製品やサービスを持っていたにも拘らず、マーケットを読み違えたばかりに、出し惜しみしてしまい商機を逸してしまった、と言う構造が見えてきます。もちろん、流通など様々な障壁があることも確かですが、中国のコンシューマの動向を予測できなかったこと、心を掴むようなコミュニケーションができていなかったことが、"つまずき"の大きな要因であったことは確かです。

中国人の有能なマネージメントに委ねれば、こんなことにはならなかったかも知れません。でも、多くの日本企業はやすやすと中国人に会社を委ねたりはしない体質です(いや日本人であっても、社長やCEOの権限すら怪しいものです)。
そうした状況において、マーケットの動向を予測し、マーケティングの提案をし、中国のコンシューマとの良好なタッチング・ポイント(接点)を創出するお手伝いをするのが、日本が誇る巨大広告会社であったりするはずなのです。

ところが、電通(等)日本が誇る巨大広告会社って案外"内弁慶外味噌"だったりして、日本ではヤバいニュースを握りつぶすくらいのパワーを持っていても、海外ではそうでも無かったりします。唯一、日本の優良ブランドがクライアントとして着いて来てくれていることが強みでしょう。ですから中国など異邦の地において、政府やコンシューマとのリレーション・シップづくりに期待しても、日本のようにはうまく行かないのです。
しかも、金さんがインタビューで指摘した"つまずく"日本企業の典型のように、主要人材はすべて日本から送り込まれてくるワケです。中国のマーケットとコンシューマにコミュニケーションしていかなければならないお仕事なのに.....。
その反面、欧米系のいわゆる"メガ・エージェンシー"は、早くからローカル・マネジメントに取組み、中国マーケットに関するノウハウを蓄積していました。

マーケットとしての中国が注目され始めた1990年代後半から数年前くらいまで、中国でモノやサービスを提供し始めた日本企業のほとんどは、中国でも電通(等)を頼りにしていたのです。
そして、いくつかのメジャー・ブランドはひっそりと中国マーケットから撤退し、いくつかのメジャー・ブランドは欧米系の"メガ・エージェンシー"とともに再起を目指し、そして世界規模で電通と寝起きを共にすることを余儀なくされているいくつかのメガ・ブランドだけが、以前と比べると当然パワーアップした電通をパートナーとして中国のマーケットに挑んでいる、いまはそんな状況でしょう。

もちろん、電通(等)を選んだ日本企業にこそ"つまずき"の最大の原因があるのでしょうが、電通(等)を選ぶのは海外旅行傷害保険に加入するようなもので、つまずいたとしても、社内的な責任は問われないですし、そのうえ、日本のマスメディアも報道も抑えてもらえるので、株価にもさほどひびかず、経営陣も泥をかぶらずに済んだのかもしれません。

試しに、Googleで"携帯電話 中国 撤退"と検索してみてください。ウェブ検索ですと幾つかのニューサイトやブログ具体的なブランド入りで表示されますが、ニュース検索ですと本エントリーで取り上げたNIKKEI NETの記事くらいしか表示されないでしょう....。
日本経済発展のため、中国ビジネスの失敗情報についても、積極的に報道してほしいものです。





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Last updated  2007.04.11 17:57:27
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なるほど   dentsu さん
電通の人間です。タイトルを見た時に感情論だけで書かれたブログかと思いきや、内容を読ませて頂くと確かに一理ありますね。 (2008.08.12 00:19:43)

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