カテゴリ:マネージメントとコンプライアンス
アジア・メディアは初値が672円、まぁこれは想定の範囲内だったのですが、その後買い注文が殺到し、上場二日目の4月27日の終値はなんと852円だとさ。公募価格から二日で33%も上昇しちゃいました。ちょっとショック。
最近は、中国のネットやメディアの方々とお仕事をしているのですが、何だかすごくバブルです....。スタートアップ(設立)したばかりで向う1年は赤字見込みのネット系企業に、いきなり1,000万US$(12億円)規模のヴァリュエーション(企業価値算定)がついたりしちゃうのです....ふう。 そんなんですから、マネージメント・クラスの人件費も高騰しています。 ここのところ、北京でリクルーティングを行っています。一つはファイナンシャル・ディレクター(財務総監)、もう一つはビジネス・ディベロップメント・シニア・マネージャー(事業開発上級経理)。 どちらも、手取りで月2万RMB(30万円強)が相場でした。所得税や福利厚生費やボーナス見込み分を計算すると、会社負担額は年間で40万RMB(約600万円)を越えてしまいます。 インタビューを行ったキャンディティの中で、一番の高給取りは手取りの年収が60万RMB(約900万円)でした。3アメリカの大学でM.A.を取得し、中国とカナダの公認会計士(CPA)資格を持っていて、欧米系のメディア・エージェンシーでファイナンシャル・ディレクターを務めている、30代半ばの北京出身の女性でした。手取りの年収が60万RMBと言うと、会社負担は90万RMB(約1,400万円)を越えてしまうはずですが、特に吹っかけている様子も無く、そのくらいもらうのは当たり前、というご様子でした。 事業開発系の人材でも、欧米系の会計事務所や法律事務所で働いている人たちは、30代前半でも平気で手取りで月3万RMB(45万円強)とかもらっているようです。まぁ、中国の日本企業で現地採用の中国人にこんなに払っているところは、ほとんど無いでしょうね。 ただ、こういう人たち、レジメを見ると素晴らしい経歴ですし、インタビューしていてもしっかりしていて、人材としてはほんと魅力的ではありました。 日本に戻ると、いまの会社、いろいろ事情があって、常時求人活動をやっているようで、職を求める中国人のレジュメがかなりストックされていました。 国籍など関係なく、大学新卒の場合、年収はグロスで400万円弱くらいではないでしょうか。手取りにすると月20万円を切るくらいでしょう。日本の大学を卒業して、日本の会社で3~4年のキャリアを積んだ中国人でも、希望年収は400~500万円くらいだったりします。30代前半の社会人経験10年選手でも500~600万円くらいで働き甲斐のある職を探していたりします。 こうした中国人を日本の本社で雇用して、中国に送り込んだほうが、現地で採用するより安く済んでしまいます。 日本で採用すると、中国で働いてもらうときに、中国人であっても海外勤務扱いになり、諸手当や家賃補助などで費用がかさんでしまう企業が多いのかもしれませんが、こうした規定こそフレキシブルに運用しないと、逆に不公平を引き起こしちゃいます。北京出身の中国人が日本で採用され北京に赴任するときに、海外勤務手当てや家賃補助まで、日本出身の日本人並みに手立てしてあげる必要はあるでしょうか?現地採用の中国人との待遇格差が顕著になるだけではないでしょうか? 日本の本社へのロイヤルティなども考慮すると、日本の本社で採用し、中国で勤務してもらうほうが有利であることは確かでしょう。しかも、現地採用のほうがコストセーブできる、というついこの間までの常識が、常識ではなくなりつつあるわけですから.....。 ただ、日本で社会人経験がある人材が必ずしも優秀とは限りません。むしろ、中国で仕事の経験が無い(少ない)不利を考慮する必要があるでしょう。 現地で働いていなければ得られない情報や経験はたくさんあります。たとえ日本の会社で中国のファイナンシャルの仕事をしていても、現地の税務当局などと直接遣り合う機会はほとんど無いでしょう。日本企業のトーン&マナーはわきまえていても、中国ではうまく機能しない場合が多いでしょう。 マネージメント・クラスであれば、日本の本社採用にして現地に送り込んだほうが、現地で採用するより安く済む、と言う数年前では考えられないような状況になりつつありますが、いろいろ考慮すると、少し高くついても現地での経験が豊富な人材を雇用したほうが、うまく行くような感じもしております。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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