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テーマ:仕事しごとシゴト(23715)
カテゴリ:お仕事の時間です
これは何の画像かと言いますと、器械体操の審判ノートです。 今をさかのぼること17年前、大卒の初任者で赴任した中学校で だまされて持たされた部活が器械体操でした。 部活動担当の体育教師Aが「あ~さん、器械体操部の顧問やれる?」 「??どんなことをやる部活ですか?」 「………ラジオ体操をやるようなモンだよ。」 この悪魔と大馬鹿者のやりとりが全ての始まりでした。 体育館に行ってみてびっくり。 回るは踊るは跳ぶは飛ぶは ………だましたな~~~~っ!? (↑だまされる方が大馬鹿) それ以来17年。専門でもないのに何の因果か異動する先で必ず体操部があり 現在に至るまで体操部の末席を汚しています。 学生時代ずっと文化部で青春を謳歌していた典型的文化系の私、 器械体操なんて出来る訳がありません。 周りの顧問はみんな経験者か専門家か体育の先生。 何度泣いたことか。 それでも「自分で出来ないなら補助と理論と面倒見でカバーだ。」 と、その時々に出来ることをやってきました。 ……で、いつしか大会で審判をやらされるようになりました。 体操の審判は中学生の大会レベルなら普通 主審と1審2審3審の4人体制で審判をします。 でも最近は体操部自体が減ってきてそれに伴って顧問の数も減り 審判の資格を持っている先生(つまり専門家)も 体操部のない学校に異動になったりもして 審判できる先生の数を揃えるのが困難になってきています。 結果、私のようにきちんとした審判の資格講習を受けていない人が 泣く泣く審判に入る訳です。 しかも審判の数は主審と1審の二人だけ。 もちろん私は1審の方です。 上の写真は審査をするときに使う自分のノートで、普通の大学ノートです。 今回は平均台の審判をやったのですが どの種目でもそれぞれの技毎に記入する記号が決まっています。 音楽のフェルマータみたいな記号は後方ブリッジ、 豚のしっぽみたいな記号の下にアンダーバーがかかれているのは首倒立、 大文字のTは開脚倒立、などなど、 基本的な記号から何種類も覚え、 それぞれの技の難易度で失敗した場合の減点数も決まっているのでそれも覚え……… 演技が終了してから30秒くらいで点数を出さなくてはなりません。 足したり引いたり、10点満点から計算するので 国語科の私は目を白黒させてやっています。 基本的にはどの技も得点は同じですが、そこは中学生の地区大会、 上手に演技できれば9.00とかも出ます。 もちろんそれと同じ演技を全日本で行っても4.00くらいだったりするんですが、 そこはそれ教育的配慮で、その大会のレベルで審査する訳です。 (みんながみんなオリンピック選手になる訳ではないので 演技をした達成感を味わわせるのは教育的に必要という訳です) まあもちろん、最低点1.00とかいうのもありますが。 器械体操は克服競技だと言われます。 陸上のようにより速くより遠くへ、を追求する訳ではなく、 球技のように得点を取る技術やチームワークを追求する訳でもない。 格闘系のように相手を倒す強さを求めるものでもない。 器械体操は新しい技を覚えるときに、ただひたすら自分の中の恐怖と戦う競技です。 幅わずか10センチ程度の平均台で、後方ブリッジをすることがいかに怖いか、 跳馬に手をついて高く体をとばすことがいかに恐ろしいか、 床でバク転をするときに頭から落ちたらどうしようという思いを振り払うために 選手たちが最初に乗り越える壁がどれほど大きいことか。 だからこそ、顧問としてそれを乗り越える手助けが出来たときは 泣くほど嬉しいんです。 (ちなみに補助も怖いです。 宙返りとかの補助、失敗したらどうしようって内心の恐怖が顔に出ないように どれだけ突っ張ってるか) (専門家の先生たちはきっとそうでもないのかな?senbeiさん?) そんな私も、現任校では体操部の副顧問として全く部活に出ない日々を過ごしています。 大会だけは審判の数あわせに出かけますが……… 目下の心配は主顧問のI先生(←専門家。通称体操のお姉さん)が異動しないかどうかということ。 やっぱり気の弱い私です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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