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2005年05月21日
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カテゴリ:PTA活動
先日、市内自治会の運動会がありました。
嫁さんが子供会のお世話をしていることもあり、
家族全員で出席させて頂きました。
「五月晴れ」という言葉の通り、たいへん天気の良い日で、
一日、ご近所の方々と家族で楽しく過ごしました。

この自治会の運動会を企画し開催するとなると、
主催者側は大変です。
企画・準備から後かたづけまで、
役員をなさっている方々には大きな負担・労力がかかります。

各競技への参加者を勧誘して同意を貰って競技参加者名簿を作ったり、
運動場へのテントの設置や撤去、膨大なゴミの後始末は、
自治会の役をしている人たちだけでは、なかなか出来ません。
参加する人たち一人一人の心がけと協力が必要です。

一般自治会員として運動会に参加するだけですと、
自分や家族が参加する競技や勝ち負けばかりに気を取られがちになります。
しかし、実は本当に大事なのは、競技が済んだ後なのではないかと、
私は思います。
後かたづけまでみんなで頑張れるか否かで、
その事業の価値が評価されるのではないかと思うのです。

このように、「後かたづけまで頑張れるか」、ということを考えていて、
剣道の「残心」という言葉を思い出しました。

かれこれ20年以上前の話ですので、記憶違いがあるかもしれませんが、
その頃、私は、先輩に勧められて剣道を習っていました。
「級」と「段」の昇段試験というのがあって、
社会人になってから始めた剣道で、初段になりました。
たしか、その当時、初段の受験資格を得るために、
小中学生に混じって、一級の昇段試験を受けて合格してから、
その後初段の試験を受けたように記憶しています。
子供たちに混じって気恥ずかしかったので鮮明に覚えています。

ところで、初段の試験となると、
「級」の試験のように実技試験だけをするのではなく、
実技試験とは別に、「学科試験」と「型の試験」がありました。

「型の試験」は、日本剣道型という何種類かの構えを、
相手と共に試験官の前で見せる形式で試験が行われます。
「上段の構え」とか、「脇構え」、「八双の構え」等々、
剣の構え方から、相手が攻撃してきた時に、
それを剣で受け止めて、攻撃し返すモデルケースとして、
古くから伝わっているものです。

「型」を習う際、先生から教わったことは、
「残心」が最も重要だ、という言葉でした。
剣道で「残心」とは、攻撃し、あるいは受け止めて激突した後、
敵の反撃に備える心構えのことです。
攻撃あるいは防御で双方手一杯になっている筈ですが、
実はその後、自らの心の構え方が大事だというのです。

弓道の世界でも、矢を射放った後が大切で、
矢を射放した後の反応に応える構えのことを「残心」というそうです。
精神でいえば「残心」、形でいえば「残身」と呼ばれ、
「残心(残身)」は射の総決算なのだそうです。

剣道や弓道に限らず、
日本においては、茶道等、作法の世界にも
そんな考え方・精神が脈々と生きています。

「終わりよければ総て良し」とか、
「有終の美」とかいう言葉もある通り、最後まで手を抜かずにやり遂げ、
次ぎに備えるという気持ちが大切なのでしょう。

先の、自治会の運動会でも、とかく、
競技や自治会対抗の得点ばかりに目が奪われがちですが、
実は本当に大事なのは、競技が済んだ後、
後かたづけまで頑張れるか否かで、その事業あるいは、
参加した人たちの価値が評価されるのではないかという気がします。
剣道の「残心」から、そんなことを思いました。





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最終更新日  2005年05月21日 09時28分00秒
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