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2005年10月25日
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-木を見て森が見えなくても、具体的行動だけが、物事を変える-


前回のメルマガでは、
料理がばらばらに出て来たファミリーレストランでの事例を取り上げました。

いつもこのメルマガを読んでくださる読者の方々から、
「私も似たような経験がある」というメールを複数いただきましたので、
こういった現象から考えられることについて、
もう少し掘り下げて考えてみることにします。


小さな子どもにとって、ファミリーレストランは、
ドキドキ、ワクワクする特別の場所。
普通の家庭では、
家族が揃って、レストランで外食をするなどということは、
特別の日で、家族のうちの誰かの誕生日であるなど、
月のうちでもそう何回もあることではありません。

そんな、特別の場所での特別の時間に、
家族揃って料理を注文したのに、大人(親)の料理が先に来て、
子どもたちが注文した料理が極端に遅れて来たとしたら..。
小さな子どもの今にも泣き出しそうな顔が目に浮かびます。

しかし、厨房で料理を作るシェフもお客様を接待しているウェイトレスも、
与えられたポジションで一生懸命に仕事をこなしていて、
決して手を抜いているわけではありません。

なのに、ファミリーレストランという、
楽しい時間を子どもたちに提供するはずの空間で、
このような決定的なサービスの不徹底が日常茶飯事の出来事として起きるのは、
いったい何故なのでしょうか。

作業が個々に専門分野に細分化された現代社会においては、
料理作りのノウハウや接客マニュアル等々、溢れるような情報の洪水の中、
往々にして、「木を見て森が見えない」という状況に陥ってしまうことがあります。

レストランでシェフとして料理を作る人は、
ただ目の前に与えられた料理を作るという仕事の部分だけしか
見えていなかったのでしょう。

料理を運ぶウェイトレスは、料理を運び配膳することが与えられた役目であり、
料理を運ぶ際にお客様から出て来るクレームに対して平謝りすることに手一杯で、
何故クレームが出ているのか考える余裕もない状況だったのでしょう。

店の責任者である支配人が出て来ていれば、「木も見て、森もある程度見え」て、
対応にももっと違った展開があったのかも知れませんが..。

しかし、そんな机上の理屈では真の解決・真の発展に結びつかないことに、
私たちは気付くべきなのかも知れません。

あなたが、反省しようが、悩もうが、クレームが出ようがどうしようが、
それだけで物事は変わらず、進歩は望めないのです。

「現場において具体的に行動することだけが、物事を変える」のだ、
ということに私たちは気付くべきなのです。

件のファミリーレストランでの事例の解決は、
目の前で起こったそうしたクレームに対して、形式的な謝罪ではなく、
真にお客様の立場に立って、お客様に対して、
不器用でも良いから具体的に何か行動を起こせるか否かの一点に
ポイントがあります。

お客様の評価というものは、最終的には、形式的な謝罪の言葉や理屈ではなく、
具体的・積極的な行動によってのみシビアに評価されるものだからです。

クレームに対して、心からの誠実で具体的な対応を、「するか、しないか」。
これが評価の全てです。

いま目の前で起きているクレームに対して、
一生懸命に対応して、愚直でも良いから、
「思いつく何かを具体的に実行する」という姿勢こそが、
未来に影響を与え、我々の進むべき未来をも左右します。

未来は今、私たちの目の前で起きているからです。

そういった問題意識を持ち、実際に現場で具体的に行動できるか否かが、
次なるステップへの足がかりになります。

できる人とできない人との差は、
「あとで..」と思うか、思わないかの差に過ぎないのかも知れません。





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最終更新日  2005年10月25日 07時03分45秒
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