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カテゴリ:PTA活動
日本PTA全国協議会は、
毎年、小学5年生・中学2年生およびその保護者に対し、 「テレビ番組に関する小中学生と親の意識調査」 と称するアンケートを実施しています。 テレビ番組について「子供に見せたくない番組」等の ランキングを発表しているのです。 そういえば、その昔、 「ワースト番組」という名称でマスコミに公表し、 物議を醸していたことを思い出しました。 昭和の終わりから平成初期の頃、 日本はバブル前後の大きな価値観のうねりの中にありました。 いわゆるエロ・グロ・ナンセンスとして分類されるような番組や、 教育上好ましくないと思う話題の番組が次々とリストアップされ、 「ワースト」あるいは「低俗」というレッテルを張り、 新聞やテレビニュースで大々的に公表し、 話題を呼んでいました。 例えば、テレビアニメで言えば、 「クレヨンしんちゃん」あたりが 「ワースト」あるいは「低俗」な番組と 決めつけられていたように記憶しています。 確かに、初めて「クレヨンしんちゃん」を見たときは、 私自身、拒否反応を起こし、 子どもたちには見せたくないなぁ、と思ったものでした。 (これはその当時の私の偽らざる素直な感想でしたが..。) またそれとは正反対に、 「サザエさん」等のテレビアニメ番組は、 「子供に見せたい番組」と評価され公表されていました。 「サザエさん」は、 安心して落ち着いて見ることができる番組ではあります。 しかし、もしも、 家庭的に恵まれない境遇に置かれた子どもが見た場合、 その子どもは、一体どういう思いで サザエさんの家庭を見ることでしょうか? 家族に見捨てられた孤独な子供が、サザエさんを見て、 寂しい思いになることもあるわけで、 何が「健全」かということは、一概に言えるものではないことに、 私たちは気づくべきなのかも知れません。 ところで、慣れた(?)せいもあるのか、 最近は「クレヨンしんちゃん」を 子どもたちと一緒に楽しみながら、私は見ています。 人はそれぞれ、感じ方や考え方が違います。 家族状況も、体験することも、個々別々、 一つとして同じものはありません。 そういえば、ある幼稚園では、 「競争はいけない」とか保護者たちが言い出して、 子どもの徒競走の順位付けを廃止したり、 チーム毎に手を繋いでゴールさせたりしているということを 聞いたことがあります。 ただ、事実を確認しようと、 「徒競走 ゴール 平等」や「徒競走 順位」などで 検索をかけたところ大量に引っかかったのですが、 その多くは「..らしい」「..だそうだ」「..と聞いた」等々、 伝聞をもとにしたものばかりで、 事実を私自身の目で確認したわけではありませんが..。 それほど極端な例ではなくても、 とかくPTAの役員などをしていると、 子どもたちにとって、「良いこと」、「悪いこと」を単純に峻別し、 PTA役員の個人の価値判断や感情に流されて 決めてしまうこともありますから、十分注意する必要があります。 社会情勢や体験することによって、 今まで「これが良い」と思われていたことでも、 逆の価値判断や逆の感情が沸き出ることだって、 往々にしてあり得る話しです。 何でも「これが絶対!」などというものはないのです。 「健全な番組」について考えたとき、 「サザエさん」がまず最初に思い浮かぶ気持ちは 私にもよく理解できます。 しかし、親としての責任は、子どもたちのために、 「良いこと」、「悪いこと」を頭から決めつけることではなく、 子どもたちが冷静でバランスの良い判断ができるように、 選択肢としてさりげなく指し示し、 冷静に判断する力を身につけさせることの方が ずっと大事なことなのではないかと思うのです。 ITの発達した今の時代、 放っておいても「情報」というものは、 親の予想を遙かに超えた速さで、 広く深く子どもたちにもどんどん流れ込み溢れています。 いずれ大人になれば、 すべて自由な情報の中に放り出され、激烈な競争社会の中で、 生き残るための判断を繰り返さなければならなくなるのですから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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