カテゴリ:季節のこと
蓑虫の音を聞きに来よ草の庵 (松尾芭蕉) 秋は 人恋しいので 芭蕉さんも うちに遊びにおいでと言ってます。 蓑虫には「鬼の子」「鬼の捨子(すてご)」という異名があります。 ******* みのむし、いとあはれなり。鬼の生みたりければ、親に似て、 これもおそろしき心あらむとて、親の、あやしき衣(きぬ)ひき着せて、 「いま、秋風吹かむ折ぞ来むとする。待てよ」と言ひおきて逃げて去(い)にけるもしらず、 風の音を聞きしりて、八月ばかりになれば、 ちちよ、ちちよ」とはかなげになく。いみじうあはれなり。 清少納言 枕草子 43. 虫は ******* ◇◇現代語訳◇◇ 蓑虫はとてもかわいそうである。鬼が生んだ子なので、 親に似ていて恐ろしい心を持っているだろうとのことで、 親が(子に)みすぼらしい着物を着せて 秋風が吹くころになったら帰ってくるから、待っていなさいね」と言って、 置いて逃げ去っていったことも知らずに、秋風が吹いているのを音で知って、 8月ごろになると 父よ、父よ とはかなげに泣いているのは とてもかわいそうである。 このことから 【蓑虫鳴く】というのが、秋の季語となっているようです。 蓑虫が鳴くのは見たことが無いので 調べましたら、 この「蓑虫鳴く」は、一説には、蓑虫の近くには「チ、チ、チ」 と鳴く虫「カネタタキ」がいることが多く、 昔は、その鳴き声を蓑虫の鳴き声と考えていた、というものがありました。 昔は沢山いた蓑虫。寄生虫のせいで 数を減らしてしまい、 めったに 見かける事が無くなりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.10.01 12:27:35
コメント(0) | コメントを書く
[季節のこと] カテゴリの最新記事
|