簡単に言ってしまえば「男同士の恋愛」のお話。
なんですけど、森茉莉ならではの美しい世界観が満載。
ただのホモの世界とは全く違うのよっ!
パウロは少年でありながら「美少女」の面影。言葉遣いなんて甘えん坊少女そのもの。で、本当に可憐でかわいらしいの。
『甘い蜜の部屋』のモイラのようでいて、モイラよりは目が覚めている(意識がはっきりしている)というか。
ギドウとパウロの生活も昔の欧風生活・・・ゆったりとした時間が流れる感じ。
『枯葉の寝床』のほうがハードだわね(゚◇゚;)
ギランの嫉妬というか愛憎劇が真に迫ってます。
この時代にこんな小説を書いた森茉莉サン、センセーショナルだわ。
アタクシが読んだ角川の女性作家シリーズ6に収録されていました。
『父の帽子』の抜粋も入ってまして、親子の何気ない確執をずっと感じていた茉莉が、パッパ鴎外が嫁いだ茉莉を親離れさせようとしていたんだなぁ・・・と回想している文章を読んで、思わず泣きそうになりました。
って別にアタクシ、ファザコンじゃないんだけどね。
後半に森茉莉がライバル視していたヨーコさん(萩原葉子←萩原朔太郎の娘)の作品『天上の花』も入っているから読んでみよう。
コレって茉莉も認めた作品みたいだからね~
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