今や世界のオザワこと小澤征爾氏が若かりし日のヨーロッパ生活を綴ったもの。
かの森茉莉もこの本について書いていた記憶があるのですが・・・
ガッツのある日本の若者がヨーロッパで活躍していくさまが素晴らしいといった趣のコメントで。
20代前半の小澤氏が少しの身の回りのモノとスクーターと共に貨物船でヨーロッパに渡る。
しかもそのスクーターは企業からの借り物(日の丸付き)。英語やフランス語は船の中で勉強しようという行き当たりばったりぶり。そして貧乏。
この状況は「深夜特急」レベルの面白さ。
小澤青年が沢木さんに勝っているのは「資金も向こうで調達しよう」と思っているところ。無鉄砲というか、楽観的というか。
ホームシックにかかったり、日本食を恋しがったりしているところがまた、共感持てたりして。
パリに着いたとき、女性の下着屋の多いことに驚き下着屋ばかり見ていたっていうのはかなり笑える(ノ ̄□ ̄)ノ
楽天的な性格と隣り合わせで、若者ならではの図々しさも持ち合わせていて、日本大使館のみならずアメリカの大使館まで巻き込んでしまったり・・・
時代背景もあるかもしれないけれど、小澤青年が有名になっていくにつれて人間の輪が広がり、さまざまな協力者が出現するのです。
有り得ないようなサクセスストーリなのに、全て実話だから面白さ倍増。
あぁ「世界のオザワ」はこんな風にして成功を手にしたのね~と思うと同時に、オザワ青年の人間臭さ(家族思いだったり)に親近感。
音楽観についての表現を読むと、「やはり天才なんだわ!」と思い知らされます。
芸術は国境を越えるのね。
たまにはクラッシックもいいかも。