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カテゴリ:読書備忘録
読むべき時期と順番を間違えたかもしれないわ。
最近、驚異的な速さで本を読み続けている紅ずきんです。 先週あたりからしつこくお勧めし続けている三浦しをんのエッセイを読破し、勢いの乗った状態でしをんさんの小説『格闘する者に〇』で就職活動時代をまったりと振り返るまもなく、図書館で目に入ったのが京極夏彦。 名前はよ~く聞くけど、どんな話を書く人なのだろう? そう言えば前に読んだ喜国さんの『本棚探偵の冒険』にて「GLAYのボーカルに似た、いつも黒革の手袋を外さない作家」という胡散臭い登場の仕方をしていたわ。 そして手始めにデビュー作『姑獲鳥の夏』を借りてきました。 この本ったら小口にモノトーンの絵が印刷してあるっ!(昔、辞書などの分厚い本に絵を書いて遊んだものだわ) 京極堂シリーズの1作目。 まず京極堂が古本屋という設定がアタクシを惹きつけ、昭和初期という時代背景もツボ。 やたら長い小説でしたけど、どっぷり浸りました(・◇・)y-.。〇 本当のテーマはここからです。 『夜のピクニック』本屋大賞を獲ったというこの作品。本屋さんがぜひ読んで欲しいと太鼓判を押したベストセラー。 京極堂の直後だったので、現代の高校生の会話が軽くてしっくりこなかったのよね、最初は。 しかも昼夜ひたすら歩き続けるという抑留者のような恐ろしい行事・・・ ピクニックというくらいだから、きっと親の目を盗んで友達とでかける楽しいお話なのかと思っていたわよ。 「あそこは毎年男子は30キロ、女子は10キロ走らされるマラソン大会があるらしい」 という噂のある高校なんて死んでも行きたくない!と心に誓っていたくらい当時から運動嫌いなアタクシ。 ネコの額ほどの校庭で行われる女だらけの(女子高だったから当たり前)運動会ですら、サボっていたクチなのに・・・ どういうことでしょう!この過酷極まりない「歩行祭」というのは。 祭りなんていう楽しそうな名前を付けたって、アタクシは騙されないワ! 作者である恩田さんも実際学生時代にこの手の行事を体験したらしく、足の疲れ具合や徐々に深刻化してくる体の疲労感の表現は見事です。 そして人物設定に無駄がないというか・・・(ここがこの作品の見せ場でもあります) すんなりと引き込まれて行きます。 これは中学生の時に読むべきだったわ(まだ作品がこの世に存在してないって)。 高校の頃は既に「青春の青臭さ」も失い、おじいさん・おじさん先生と教科の準備室などでお茶をすすっていたアタクシ。 「あんな酸っぱい時代もあったわね~」としみじみするならそれ以前に遡らねば。 乙女にとってかっこよくて人気者の男子と噂になる優越感ってあるよね・・・青春ならでは( *´艸`) というのが一番の感想。 本当はもっと心に訴えるところがありますよ。 今年、映画化されるのですね。HPはコチラ。 西脇融役の子がほぼ空想通りで嬉しかった(←ナヌっ!絵文字?) ベストセラーとは何ですの?乙女の古本屋↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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