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カテゴリ:読書備忘録
本の装丁からして、厭~な感じ漂ってます。
新刊本なのにわざと古本っぽい。 小口も黒ずんでいるし、見開きもアブラっぽい汚れが・・・ しかもたまに蚊のような虫が潰れて挟まっている。 あくまでもキッタナイ古本風の演出なのですが、何だかホコリっぽい臭いがしそうです なぜこの本の装丁がこんなことになってしまっているのかは、最後の章の『厭な小説』で明らかになります。 厭な小説 「知りませんからね、読んで後悔しても。」悪寒、嫌悪、拒絶……あらゆる不愉快、詰め込んだ日本一のどんびきエンターテインメント登場――「厭だ。厭だ。厭だ――」感情的パワハラを繰り返す馬鹿な上司に対する同期深谷の、呪詛のような繰り言にうんざりして帰宅した私を、マイホームの玄関で見知らぬ子供が迎えた。山羊のような瞳。左右に離れた眼。見るからに不気味だ。なぜこんな子が、夫婦二人きりの家に? 妻はその子の存在を否定した。幻覚か? 怪訝に思う私。だが、これが底なしの悪夢の始まりだった……(「厭な子供」より)。「恐怖」と「異なるもの」を描き続ける鬼才が繰り出した「不快」のオンパレード。一読、後悔必至の怪作、ここに誕生! “ゲラを読んでいて、重~い気分になっちゃいました”って、著者が語っていいのか!? 500ページ近い短編集なのに、その厚さのわりに本自体は軽い←重量が。 そもそも京極夏彦の「京極堂シリーズ」がレンガのようなカタチで、2段組であることを考えると、こちらはまだ読みやすいです←字の詰まり具合が。 内容は著者が語るように、ジメジメした季節なのにさらに気分が重くなるような厭な話のオンパレードです(爆) それぞれの話の主人公がオカシイのか、それとも周りがオカシイのか、一言でいえばホラーファンタジーって感じです。 部長の亀井という厭なヤツと深谷という社員が共通して出没するのですが、深谷君が出てくるとなぜかちょっとホッとします。 それにしても亀井ほど理不尽なヒトってのは、実際に存在するんですかね? あんなヤツがいたらそれこそオカシクなりそうです。 でも対処法としては、「相手にしない」というのがありますよ。 生活の中のこまごまとした不快な現象例が巧いなぁというのが率直な感想で、 毎朝タンスの角に足をぶつける 生ゴミから出た汁をいつも踏んでしまう トイレのタオルが見るたびに床に落とされている 歯ブラシを勝手に使われる 他人の仏壇を押し付けられる ・・・(あまりに強烈すぎて挙げられないもの多数) 確かに厭だよなぁ。 すごいストレスたまりそう(-公- ;) ちょっと話がずれるのですが、バスルームで飲食をするというのはアタクシには耐えられません。 相変わらずドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』を見ていたら、主人公があるホームパーティで食べ物を手にしたとたん友達に「ちょっと話を聞いてよ!」とバスルームに連れて行かれるんですけどね。 向こうのバスルームってユニットバスになっているじゃないですか。 で、「何なのよ?」とか言いながら、トイレの蓋を下ろしてその上に座って、手に持っていた食べ物を口に運んでいるわけ。 習慣の違いなんだろうか?たまたま主人公が無頓着なだけなのか? どんなにキレイなバスルームでもあたしゃそれはできないよ たとえトイレと風呂が別々になっていても、お風呂で何かを飲み食いするってのはムリだわ。 たまに「半身浴がシュミで~飲み物を持って何時間でもお風呂に入ってます♪」って芸能人がいるけれど、どうも抵抗があるわ。 何かキモチワルイ・・・(×ロ×;) どんなにキレイに掃除がしてある風呂場でも、掃除中に排水溝の汚れ具合とか見てしまっているからねぇ。 想像しただけで吐き気が。うっ・・・ 当然のことながらアタクシは半身浴体質ではないので、いつもカラスの行水です。 話は戻って、『厭な小説』 アタクシ的に一番印象に残ったのは『厭な彼女』なんだけど、「話が通じない相手」というのは何よりも不快で恐怖なのかもしれない。 とりあえず不快な気分を味わいたい方にオススメです。 厭な話なのに、わりとさくさく読めます。 厭な小説 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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