自衛隊三部作 有川浩
イッキに読み終えたぞ~有川さんの激甘ストーリーは、甘すぎてケツがむず痒くなるほどなんだけど、それにSF要素&自衛隊というシチュエーションが加わることによって、若干甘さが薄まるというか、目くらましになりめでたく一気読みできました。『塩の街』謎の巨大な塩の塊。人間が塩の結晶化する怪現象VS陸上自衛隊(元エリート航空自衛官。のちに陸上自衛隊に巻き込まれる)『空の中』巨大な未確認飛行透明物体VS航空自衛隊(女性パイロット&戦闘機開発企業社員)『海の底』巨大人食いザリガニVS海上自衛隊(若い潜水艦乗組員2人)。付属として警察と自衛隊の戦闘力の違いについて。そのスピンオフの短編集として『クジラの彼』と『ラブコメ今昔』があります。←アタクシは知らずに『ラブコメ今昔』から読んでしまったのだが・・・これら短編集は激甘なので、要注意です どの話も「未曾有の外敵」によって日本中が大パニックになり、それに立ち向かっていく自衛官っていうのがテーマです。極限状態の中にもラブストーリーありといった感じで、差し詰め『デザート付ランチセット』的なお得感があります(笑)ついでに例えるなら、短編集は『デザートバイキング』ですな。何をチョイスしてもとにかく甘いです。それにしても有川さんの自衛隊マニアっぷりには恐れ入りました。ところどころ知らない用語が出てくるので、いちいちググっているうちに「自衛隊基礎知識」がUPしました。ドッグタグだとか、ブルーインパルスだとか・・・戦闘機や潜水艦の構造だとか。興味を持って調べてみると、意外に面白いものなのね。アタクシはこれまで「防衛費削減派」でしたが、この度の震災後の自衛隊の活動を見ると、一概に削減とは言えないよねぇ・・・という気分になります。(自衛隊の炊き出し車とか移動風呂設備もスゴいよ)それより何よりこの作品の醍醐味は「自衛官萌え」じゃないですかね?実際のところどうなのか?は分かりませんが、ポイントとして・(女慣れしてなさそうな)男子校ノリ。・体力的、精神的なタフさ。・「国を守っている」というプロ意識の高さ。・絶対服従の上下関係。=総じて「チャラくない」(爆)そんな彼らが口下手でテレ屋なくせに激烈に熱いセリフを吐いたり、お姫様だっこをさらっとやってのけたりだとか、とにかく少女マンガ的なノリで萌えます。読んでいる間、勝手に脳内アニメ化して(画風は『スラムダンク』の井上雄彦氏)楽しめましたが、いざ実写化するとなると適当な配役が見当たらないのよねぇ・・・その辺のイケメン俳優よりも、どちらかと言うと実際の自衛官(の見栄えがいい方)に演じてもらいたいくらいです。有川さんの作品では『阪急電車』や『植物図鑑』よりも、自衛隊シリーズはアタクシ好みでした。この勢いで『図書館戦争シリーズ』にも手を出そうかどうか、迷うところであります。