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「こんなキチガイ音楽、やめなさい!!」
いつもこれを聴いてると、母親からどやされた。 ボクのビートルズ熱に呼応してか、学校中がビートルズ・ブームとなっていた中学2年のころ。ビートルズに見向きもしないやつがいた。秀才の石畑くん。彼は後に東大まで登りつめたから、やっぱり秀才だったんだ。 彼の忙しい勉強の合間に、彼の家にお邪魔する機会があった。 彼のお母さんは近所で有名な教育ママ(死語かな?)で、玄関に現れたボクらを怪訝そうににらんだ。 「すぐに、帰るから!」と石畑くん。(本来は失礼な話だが、でもボクらも頷いて見せた。) 彼の部屋に入ると、まず目に入ったのが、バカでかい2本のスピーカー。これがJBLで当時で1本25万円とか・・。そしてアンプはマランツ、プレーヤーは最近買った最新のダイレクト・ドライブ、テクニクス。 「これ、全部、石畑の?」 「そう、全部、勉強したご褒美で買ってもらったんだ。」 へー!勉強できると、こんなに買ってもらえるのか!?、でも、半端じゃなくやってんだろうな、と変に納得できてしまうほど彼は秀才だった。 それじゃ、と言って彼がかけてくれた一枚目が、 ディープ・パープルの「イン・ロック」。 「ジャ、ジャ」と始まるところから、ウォーー別世界! あのJBLからは耳をつんざくばかりの轟音。 ボクの中のビートルズが、正に吹っ飛んだ瞬間だった。 ぬるま湯につかっていたら急に熱湯を頭からぶっかけられた感じ。 その衝撃もさることながら、横で平然と聴いている石畑くん。日ごろは、静かで穏やかなやつが、影でこんな不良なもの聴いてるなんて!と背筋がぞくぞくっとした。 それを機に、ボクは一気にハード・ロックの世界へ「ザッブーーン!」 そこで最初に買ったのがこの「ライヴ・イン・ジャパン」 これは本当にすごいアルバムです。 何しろ、右のスピーカーがリーッチー・ブラックモアのマーシャルのギター・アンプになったんじゃないかと思うほどギンギンに唸るんです。 今から思えば、母親の反応も無理からぬかな。息子がこんなの聴きだしたら驚くよね。 余談となるが、数年前、この「ライヴ・イン・ジャパン」の完全版というのがCD3枚組で発売された。当然買ったが、聴いてみてとても違和感があり、あまり聴いていない。 その違和感とは曲順にある。 完全版だから、当時の東京武道館、大阪城ホールなど計3回のコンサートがそれぞれ初めから終わりまで収録されている。 もともとのアルバムはこの3日間からベスト・テイクを編集したもの。だから自ずと曲順も違えば、演奏のクオリティも違う。直球勝負で最後までいったようなもの。実際は変化球も取り混ぜて投げていたことが分かるといったところか。 今でもむしゃくしゃした時は、「ハイウェー・スター」でぶっ飛ばすのが一番、と思っている。アドレナリンがビュンビュン出てくる感じ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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