――――と、言うわけで貴方の確固たる自我と言うお話に興味を持ちました
はぁ……要するに、自分の存在価値が見出しにくくなったわけか
良かったじゃねーか。仲間がいるぞ
ああ、少なくとも勝手に部屋に居候している君よりは遥かに同志と呼べるよ
それで、ゼッペルさんはどういった経緯で自分を見直そうと?
ん? そうだな……ちょっと表現するのが難しいが
(ゼッペル)例えば、表立った私は近所のおばちゃんからも評判がよく、仲間達からの信頼も厚い。そして何よりも戦う自分の姿を『騎士』としてみようと思っていた
ところがある日、自分の中に蓄積していった『何か』が抑えきれなくなって表面にもれ始めてきた。ソイツは今までの私を嘲笑い、本能をむき出しにした一種の獣だった事に気付いたのだ
詰まり、ゼッペルは心の中にペットを飼ってるんだな
な、なんと……!
違うわ馬鹿たれ! 何でそうなった!?
ま、よーするにだ。話を要約しちゃうとゼッペルは感情ごちゃ混ぜになって訳わかんねー事になってて、小娘は自分の存在意義を見出せない訳だろ。お互いに自分を見直して、本当にやりたい事を見出せないとな
そうです! そのとおりです!
よーし、ならばこの人生の匠であるこの俺、団長がてめぇらヒヨッコに人生の哲学ってモンを教えてやる!
おお、人生の哲学!
(どーせ禄でもない事言い出すぞ……)
自分の野望をしっかりと頭ん中に叩き込む! それだけだ!
は……? 野望、ですか?
そう、野望だ! 例えばこの団長様は世界を飛び越え、今や銀河征服すら乗り出す勢いだ!
だが、この俺様が全銀河を征服すると言う野望は俺のモンだ!
おお……
テメーらが何をしたいのかは知らん! だが、恋した相手を自分に振り向かせたい、アレが欲しいコレが欲しいって思って、それを手に入れるのは生きてるって証明なんじゃねーのか!?
おおおおおおおおおおお!!!
(……なんか影響受けてるぞ)
よーし、なら聞くぞ小娘ぇ! テメーは今、何を手に入れたい!?
我が手に入れたいもの――――それは
力です! 主や皆に置いていかれて、守られてるだけは嫌です! もっと力をつけ、皆を完璧に守れる力が欲しい!!
おう、上出来じゃねぇか小娘! そこまで言うならこの俺様が人肌脱いでやろうじゃねぇか!
つー訳で、ゼッペル。ちょっと小娘の相手してやれ
何、そこで私がキラーパスを受けるのか!?
団長、今年で43歳。
何時までもクソガキだけど、その気持ちを大事にし続けるおっきいお友達。