いいか、猿でも分かる理論だが手っ取り早く強くなる方法は3つある。『基礎能力を高める事』『奇策を用いる事(頭脳戦)』『すんげー強力な武器を手に入れる事』だ
成る程……しかし、三つ目は人によっては手に入らない場合があるのでは?
そんなんは自分で何とかしてくれ。で、お前は性格上決まったやり方で相手を倒すのが一番やりやすそうだから、やはり基礎能力を高めるのが一番だろうな
そうだなー。卑怯な手ぇ使ってでも勝ちたいってタイプじゃなさそうだし
しかし、基礎の部分では向こうで修行している身なので特に問題ないのでは――――
甘い。それで横の如月・和輝がめきめきと伸びてきてるからお前は危機感を覚えてるんだろうが
(びくり!)
ったく、この1ヶ月で意思決定だけしかしなかったんか……まあいい。本題は、ここで如月・和輝もびっくりな修行をして一気に他の人と差をつけようって事なんだが
『兄さん、具体的には何をさせる気なんですか?』
実戦が何時も一番のスパイスだというのが俺の自論だ。故に、実戦に近い形でプログラムを組んでみようと思う
名付けて、『捕まったら負け通り越してデッドエンド! 嵐のシュバルツ鬼ごっこ大会!』
(ぽかーん)
ルールは簡単だ。お前にはこれから……そうだな。24時間この街の中を逃げ回ってもらおう。追いかけっことあるが、捕まったら負けなのではなく
戦闘不能状態になったらお前が負ける
んな――――!
無論、自己防衛の為に鬼と戦うのもありだ。だが、ちんたらやってると他の鬼に見つかって不利な状態になるやもしれん
何故いきなりそんな物をこの台風の中やらねばならんのですか!?
台風だからこそやるんっす。雨が降って、風も強い悪天候の中だから皆を守れませんでしたって言い訳聞くん?
む……
因みに、鬼の数だが……ここは不明にしておこう。ただし、
俺ら三人は出るからそのつもりで
へ?
こうして、シュバルツの仁義無き戦いが始まる!