【アルコールの恐怖】
【アルコールの恐怖】アルコールと言えば、ストレスの解消や、人間関係の潤滑油と言う良いプラスイメージに捕らわれている人も多いかもしれない。先日、テレビのニュースで、キャスターが浮浪者にこんな質問を浴びせているのを聞いていた。「何で皆さんお金が無いのに、お酒を飲まれるのですか???」と・・・浮浪者は答えていた、「お酒は腹が苦ちくなり(苦しいほどに一杯になり)、日持ち腹持ちがいいからなぁー」「飲んで寝てして腹も減らんまい」と・・・(「まい」は、地方の方言かな???)私は、同じ言葉を去年、言っていた人のことを想い出した。もうその方は、他界していらっしゃる方である・・・其の方は、沖縄で、事業をしていて、思いがけずの大枚を稼ぎ、新事業に乗り出した。新事業は予想と裏腹で失敗、多額のつけが跡に残った。妻と子に迷惑が及ばないようにと、彼は東京へと新天地を求め離れて出てきたと言う。何時か再び帰れる日を願い彼は生活を始めた。その内、アルコールの魅力が彼を襲う、金が無いが「お酒は腹を一杯にして、日持ち腹持ちがいい」「飲んで寝てしまえば、腹も減らない」現実の悩みも、世の視線もアルコールのバリケードを崩すことは出来ない。苦しみは、幻影に飲まれ日々と時は、短く過ぎていく。たが彼の場合は、その過ち(あやまち)に気が付いた。気が付いて「酒を一時やめた」・・・でも、彼の心も体も疲れていた。体が重たく軋み(きしみ)、心に必死に燃やす灯火も、中々面への闘志(とうし)には火力が追いつかなかった。彼が仕事を求めて迷いと格闘する日々の中で、彼にもう一つの苦しみが新たに襲い掛かってきた。それは、「離婚」の申し出が妻から出されたことだと聞いている。行き場の無い思いは、体の中で凍結して、思考回路を麻痺させたのかもしれない ???彼の心の中には温もりを求めて「アルコールを少量だけ・・・」の心が芽生えたのかもしれない ???それは彼の「完全に止めよう」の心に妨げを与えた。アルコールは、いったん習慣性がつくと、中々止める事が出来ないそうだ。これは、脳の中にアルコールを求める回路が出来てしまい、この回路が、人をコントロールする。アルコールへの欲求は、我武者羅(がむしゃら)な欲望へと表現される。アルコールも麻薬や覚醒剤の中毒と同じように完全にやめるか、人間を止めるしか無いとまで、言われているらしい。彼はある日、亡くなっていた。睡眠薬の用量を誤って・・・「お酒は腹が一杯になる」、「飲んで寝てしまえば腹も減らない」この言葉は、彼が最後に私達の前で呟いた言葉である。今、その場に居た数人の中で誰がこの言葉を憶えているのだろうか???[ 彼の死は、教会にも今後のホスピタル・ケアの思い(ビジョン)を残していった。]エーメン天国での喜びに目覚めた男へ・・・永遠の命へ・・・エーメン『今後、ぶどう酒や強い飲み物を飲まず、汚れた物も一切食べないように気をつけよ。』(土師記12章4節サムソン)エーメン