初めての後悔
先日、叔父の葬儀に行ってきた。決して近い距離ではない所に住んでいるため、そんなに会った事があるわけではないのだが幼い頃は母に連れられて遊びに行ったりした。大柄だけど、優しい叔父で可愛がってもらった記憶がある。その娘達、つまり従姉妹たちとも年も近く、仲が良かった。葬儀の終盤、大勢の孫の涙に囲まれている叔父を見た時、自分の父親の葬儀の時の記憶がよぎった。ウチの父の孫といえば、姉の子供たちのみ。その時は、しかも人の死の意味もわからない幼さだった。孫たちの涙に送られている叔父は優しいお祖父さんだったのだろう。父は寂しくなかったか?孫を可愛がる時間も短く、囲むような人数もなく…自分が未婚で子供がいない状況に後悔などした事もないのだけれどこの時ばかりは後悔がよぎった。いや、後悔というか、父に申し訳ないという気分というか…ごめんねお父さん。孫、生んであげれなくて。ごめんね、きっと寂しかったよね。そんな気持ちが溢れ、涙が出た。その部分だけは親不孝をしたのではないかと、あまりに自分勝手に生きてきたのではないかと。自分で選んできた人生に、初めて後悔をした。せめて、この先、もうちょっと母を大事にしようかとそのぐらいでしか、父に詫びれないなぁと思ったのであった。