薔薇とともに・・・

昨日、仕事中に勤務先の学校へ電話があった。

シーボルトの担任からだった。

何事かと思ったら、

同じ特別支援学級の六年生の男の子が

シーボルトの目に蹴りをくらわせ怪我をさせたというのだ。

担任の先生はひたすら謝罪をしてくださり、

夕方学童の方で担任と教頭がお待ちしています、とのことだった。

シーボルトの通う学校の特別支援学級の生徒数は10人。

うち8人は施設の子。

だから主に情緒の障害が多いらしい。

それは転校する前に聞いていたし、

中にとても暴力的な子がいるとも聞いていた。

転校して間もない頃にはイスが飛んできたと

シーボルトが話した時には

当たらなくてよかった・・と心底思ったものだ。

そして夕方・・・

心配しながらも学童へお迎えに行くと

シーボルトの怪我はたいしたことがなかったのでとりあえず安心。

待っていたのは担任と怪我をさせた男の子

そして・・・その子が生活している施設の先生。

その子を見た瞬間、私は怒りよりも

哀れみのような感情が沸き、胸が痛くなった。

とても荒んだ傷ついた瞳をしていたから・・・・・。

先生方が改めて謝罪をしてくれた後、その子にも謝罪をうながした。

「すみませんでした・・・」

私はただ

「うん。これからも仲良くしてね。」

とだけ言った。

それ以上・・・何も言えなかった。

その子を抱きしめてあげたくなるぐらい

その子の瞳は傷ついていた。

後で担任から聞いたら

親は健在だけれどずっと虐待を受けていて・・・

解離性障害を抱え、過去の出来事が突然フラッシュバックして

衝動的に暴力をふるうらしい。

涙が出そうになった。

あの子はこの先、ずっとそんな苦しみを抱えて生きていくんだと

思ったら・・・・・

 私の闇よりはるかに深い闇の中にいるのだと思ったら・・・・・

とても悲しく胸が痛んだ。

シーボルトが大事に至らず本当によかったけれど

別の痛みが心に残った出来事だった・・・・・・・・・・・・。