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2006年11月16日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
ハッブル宇宙望遠鏡は皆さんご存知のように地上600kmの上空で地球を周回しながら大気の影響を気にせず天体観測・撮影を行える人類初の大気圏外望遠鏡として活躍してきました。
テレビ番組などで、同望遠鏡の撮影した驚くほど鮮明な深宇宙の写真に胸を躍らせた方も多かったのではないでしょうか。

しかしながら打ち上げられたのが1990年。大気圏外の過酷な条件に耐えつつ16年余りが経過した今、老朽化は避けられません。
そもそも積んでいるバッテリーなどの消耗はどうしようもありませんので、定期的にメンテナンスをしてやらなければならないのです。
くわえて最新鋭の後継機の登場となれば、老兵は消え去るのみの運命を辿るのは必然かもしれません。

それでも永らく人類の宇宙の目として果たしてきた功績から考えると、無残に打ち捨てられるのは忍びないという心情が関係者にあったとしても不思議ではありません。
そこでハッブル宇宙望遠鏡の延命話が持ち上がり、老朽化した装置に最後のリフレッシュをしてあげようという計画と相成りました。
しかしながら、ことは言うほど簡単ではなさそうです。ハッブルに最後の手当てをするためには技術者を派遣し、末期の水を飲ませるために人間がスペースシャトルに乗って赴かなければならないのです。折りしも「コロンビア」の悲惨な事故があり、スペースシャトルの安全性に一抹の不安がつきまという事態。すくなからぬリスクを覚悟せねばならず、また事故でも起きれば尊い人命が犠牲になりかねません。

ISS(国際宇宙ステーション)を前線基地にできればよいのですが、ISSの軌道とハッブルの軌道はかなりずれがあり、万一の際に救援や救助を行うための時間的空間的余裕が厳しい状況です。なにしろ宇宙空間で遭難すると、地球上の絶海の孤島に流されるよりもっと厳しい状況が待っているわけですから。
で、今回のミッションではハッブルのジャイロスコープの取替え、バッテリの追加、カメラなどなど。余裕があれば反射鏡の素子も交換する予定だそうです。
このまま放置するとバッテリーが2010年まで、ジャイロスコープが2008年までといずれにせよあと数年の寿命が残されるままです。

初代宇宙望遠鏡として、われわれに夢を与え続けてくれたハッブル宇宙望遠鏡の最後の活躍が見られることを祈りましょう。






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最終更新日  2006年11月16日 16時28分17秒
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