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2011年11月08日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
私が子供の頃、世界最大の望遠鏡といえばパロマ山の直径5mの反射望遠鏡でした。
もちろん実物を見たわけではないのですが、写真で見るその巨大さにびっくりした記憶があります。
あれから半世紀近く経って時代は進んだもので現代ではさらに巨大な望遠鏡を建造する計画があります。
世界5カ国の協力によって計画されているTMT(Thirty Meter Telescope)です。直径30mというのですからその大きさは野球グラウンドの内野を飲み込んでしまうほどです。
当然ですがそのくらいの規模になると一枚ものの反射鏡というわけにはいきません。
実に492枚の六角形の鏡で構成され、合わせたサイズが直径30mということです。
ちょうど蜂の巣を逆にへこませた感じ、といえばわかりやすいでしょうか。
一枚一枚の鏡をコンピューター制御により研磨し、組み合わせたときにきれいな放物面を形成するようになっているのです。

TMTは単に口径が大きいというだけではなく、最先端の技術が詰め込まれる予定です。その代表が空気のゆらぎを補償する機能です。目視でも星を見ているとちらちらと瞬いていますが、あれは空気が光を歪め乱れた結果を我々が見ているからです。
ハッブル宇宙望遠鏡は宇宙空間にありますので空気のゆらぎによる画像の歪みを心配する必要がありません。これは大きなメリットで地上からの観測とは比較にならないほどの明瞭な画像を得ることができます。

ではどうやって地上から空気の影響を取り除くことができるのでしょう。まず、地上から観測する方向にレーザー光を放ち、得られる画像イメージから現在の空気のゆらぎによる乱れを計測します。次にその乱れをキャンセルするように望遠鏡のイメージに加工を施します。
するとそのままではぼやけていた画像が驚くほどくっきりとしたイメージに変わります。
もちろん空気の影響は常に変化しますので連続的に補正を行う必要はあります。
専門家はこれを光学補償と呼んでいるようです。

それにしてもこれほどの大きさならば今までは観測し得なかった微細な光も捉えることができるでしょうし、それは可視光のみならず赤外線からガンマ線領域までの分析を可能にするということです。
考えるとわくわくしますが、他の恒星系に存在する惑星の観測や分析、ビッグバンから数億年後のまさに幼年期の宇宙の姿をさらに仔細に見ることができるようになるのです。
宇宙がいかにして生まれ、どのように進化してきたのか、それは我々自身を知ることと同義であり、われわれが果たすべき役割を解き明かす鍵になることでしょう。





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最終更新日  2011年11月08日 22時09分19秒
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