風の独り言

　平成２２年の世相を表す漢字一字は「暑」。

　日本漢字能力検定協会（京都市下京区）が公募で選ぶ「今年の漢字」が決まり、京都市東山区の清水寺で１２月１０日、同寺の森清範（せいはん）貫主が特大の和紙に文字を揮毫（きごう）しました。

　今回で１６回目、過去の漢字は、２１年「新」▽２０年「変」▽１９年「偽」▽１８年「命」▽１７年「愛」▽１６年「災」▽１５年「虎」▽１４年「帰」▽１３年「戦」▽１２年「金」▽１１年「末」▽１０年「毒」▽９年「倒」▽８年「食」▽７年「震」－が選ばれています。

　全国から過去最多の２８万５４０６票の応募があり、１位の「暑」は１万４５３７票（５．０９％）、次いで「中」「不」「乱」「異」「国」と政治や国際情勢、景気や天候などの不安定さを表す漢字が続きました。

　１位に「暑」が選ばれた理由として、記録的な猛暑の連続で熱中症にかかる人が続出、暑さ対策の支出が増えて野菜価格が高騰して、熊なども人里に出没したことから健康や生活、環境に影響をもたらせたことや、チリ鉱山のトンネル内落盤事故で地中の「暑い」中から作業員全員が生還、突入温度１万度という「暑さ」に耐え、無事帰還した「はやぶさ」など、勇気と未来へ希望をくれたことなどが理由として挙げられています。

　今年１位になった「暑」は、去年１位になった「新」が獲得した約８％と比べれば、票数はそんなに変わりませんが、票の割合はかなり減っているみたいです。

　今年の漢字に「暑」が選ばれましたが、面白くない字が選ばれたなという気がします。

　私が思う今年の漢字は「嘘」です、まあこの字も大して面白くない字だなと思いますが、現在の暗くて、いい加減な世相を暗示しているという意味では、悪くはないなと感じています。