井原線ふるさとじゃ～ナル

１１月２２日（水）晴れ

書名：「ＳＤＧｓの大嘘」
著者：池田清彦
発行：株式会社宝島社 / 2022年6月10日/１９１ｐ

　著者のＳＤＧｓに対する科学的検証からの警鐘は傾聴に値する。国連が加盟国の決議によってつくったプロジェクトで、それぞれのお題目はきれいごとを並べたもので反対する内容ではない。しかしお題目同士は相いれない実現不可能なもの。
　SDGsの前のプロジェクトのMDGsは途上国を先進国が支援して生活レベルを向上させる開発目標だったので何とかなったが現在のSDGsは全世界で取り組むには決定的な目標が提起されていない。
　現在の地球上で一番の問題は人口問題だ。人口をいかにして適正にするかという目標設定がなければ１７のお題目は絵に描いた餅だ。欧米のグローバル資本主義の集金システムのルールに成り下がっている。
　現在のSDGｓでは持続可能な平和な世界ではなく各国が奪い合う地獄への道に進んでしまう。
　まさにSDGｓは「もったいない」の宝庫で「嘘」と「矛盾」が多く、著者曰く「胡散臭い」ものだ。ほんとうに持続可能な社会をめざすなら日本の里山と江戸のシステムに学ぶべきだ。
　
　現在日本は、円安ドル高で労働力不足が問題視されているが、これをチャンスととらえて人口減少を「是」とする政策にシフトしてはどうか？
　現在、生きている日本人の幸福を追求する適正人口を求めてはどうか？
　８０億人が住むには地球は狭い。限界をすでに超えている。ここまで人口が増えてしまうと大陸的、狩猟民族的な思考では破綻は免れない。
　こんな時代だからこそ島国で育まれた農耕民族の自給自足の社会を模範とすべき時だと思う。