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カテゴリ:ママのひとりごと
役者をしているRと知り合ったのは、某番組だった。
Rはレポーターとしてやってきた。帰り際にメールを渡し、一度メールがありそれからしばらくは音沙汰ひとつなかった。 ある日、ちょとした気まぐれでメールを打つと、すぐに返事があり食事に誘われた。ちょうど外出することもあったので、待ち合わせることにした。 逢ってどうなる…そんなことは全く考えてもいない。 約束の時間を少し過ぎた時間にRはやってきた。 それから食事をしながら、意味のない会話をしたように思う。 男も女も、相手に触れたいと思ったときには饒舌になるものだとなにかの本で読んだことがあった。 本当になにを話したなど覚えてはいない。 込み合った居酒屋風のレストランで、鍋焼きうどんを食べ、ミルク豆腐という妙なものを口にしたことは覚えている。 9時を少し回った頃に店を出た。 そらから「乗れる?」のRの言葉に「はじめてなのよ」と言いながら、ヘルメットを手渡されてからバイクの背に乗った。 …バイクが動きだす。風を切るというのだろうか。車と違い妙に安定感がなく、そてでいて自転車の二人乗りよりも早い。足をどうすればいいかわからず、バイクにまたがったまま、Rの背に腕をまわす。ぴったりとカラダを密着させるように…。 Rの背の温かみがワタシの頬に伝わる。そんなにも強くワタシはRの背に顔をうずめるようにしていたのかも知れない。「40キロぐらいしか出ていないよ」とは言われたが、そうしていないと振り落とされてしまいそうでこわかった。 家の近くになり「どうする?」のRの言葉に戸惑う。もう少しいたいような、こわいような…求めらることもこわかったし、自分が欲望のままに求めてしまうこともこわかった。「もう少しだけ一緒にいてもいい」そう言って、公園に向かう。 月明かりのあかる夜だった。 ケータイで月を映しながらじゃれあう。 ベンチに座り、Rに引き寄せられるようにして唇を重ねた。 「…こんな風になるとは思わなかったよ」 つぶやきながらRの舌は私の舌とまるで、2匹の蛇のように絡み合っていく。 嫌なキスではなかった。私が求めているキスだったような気がする。 …それからだったメールのやりとりがはじまり、5日後また逢ってキスをした。 付き合っているのかどうかはわからない。 私にとっても、Rにとっても互いが特別な存在であるかどうかもハッキリしないままに、毎日のメールのやりとりだけが続いている。 ときどき、私はRに忘れられたくないから、ボディパーツの写真をケータイに送信する。最初は唇、そして、胸の谷間…生足と… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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