黒猫
黒猫の優雅なしっぽがふらりふらりと揺れる子供達は気味悪がって近づこうともしない私はそれに涙する寂しいか黒猫悲しいか黒猫切ないか黒猫私は私のまま生きてお前はお前のまま生きるそんな当たり前のことですらお前には辛いことなのかだが人に嫌われることが辛くなくて嗚呼どうして空の青さを知ろう人に憎まれることが苦しくなくてどうして風の優しさを解ろう人に疎まれることが悔しくなくてどうして太陽の心を見つけようこうやって泣く私にもお前を笑う子供達にも空の青さを知る日がある風の優しさを知る日がある太陽の心を知る日がある誰もみな同じなのだ私は上辺だけの優しさを黒猫に与えているのかもしれないそして黒猫はそんな私を不審そうに見つめている美しい金色の瞳でいつかその瞳の奥に私ではない誰かの頬笑みがしっかりと刻まれるだろう触れようとした私の手を黒猫は爪で優しく引っ掻きそうして踵を返した二度と会うこともないだろうと艶やかな尻尾を揺らしながら