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2007年08月20日
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テーマ:地球生命体(577)
カテゴリ:一般生活

今年の春先に「助清」が死んだあと、ムスメ1号と親子会議を開き、「やっぱこのまま飼っててもどうせ死んじゃうし、そろそろ逃がしたほうがいいんじゃないか?」というワタシの提案にムスメも納得したらしく、次の週末にふたりでもともと獲ってきた公園に、残った蟻たちを放しにいくことにしたのだった。

もとの巣があったすぐ近くの落ち葉の上に、天井の蓋を外してアントクアリウムの容器を置いた。まだ冷たい春先の外気の気配を感じた蟻たちは、死んだ助清の亡骸を蹴っ飛ばしたりしながら一斉にわっせわっせと動きだしたが、突然のことで事態が飲み込めないのか、横や下には動くのだが、容器をよじ登って外に出ようとする奴がいない。

置いた場所が良くないのかと思い、少し場所をかえて違うところに容器を置きなおしてみたが、それでもやっぱり一向に出て行く気配がないのだ。そうか。なんだかんだ言っても、実は奴らも日々餌があるかないかわからない元の生活よりも、いまの暮らしの方が居心地が良いのだ。自由と引き換えに人間に飼いならされた自分たちを卑下しつつも「三食昼寝付きの極楽生活はたまらんのう」と、きっと自嘲気味に呟いたりしているのだ。
10分以上待っても一匹も出ていかなかったので、結局その日はそのまま持って帰ることにした。

あれから数ヶ月、さらに季節は巡り春を越えて猛暑の夏になった。
ほんとに忘れっぽい我々親子は、あの日再び持って帰ったアントクアリウムを、ムスメたちの手の届かない本棚の上に置いたまま、その後まったく見向きもしなくなっていた。

再び見ることになったのは、たまたまムスメ2号を抱っこしているときに「あ、あ、」と何か指をさすので、ふと見ると本棚の上の蟻たちを指していたからだった。手を伸ばしてアントクアリウムを本棚から下ろし、久しぶりに中の様子を見たワタシは、思わず息を飲んだ。
(後編につづく)






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最終更新日  2007年08月30日 21時27分50秒
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