イタリア旅行記5 日帰りフィレンツェ 後編
続き小腹が満たされたところで、妹に頼まれた財布を買いにプラダへ。でも、お店を探すって、結構大変ですね。しかも自分は興味がないもののために。妹は旅行に行くたびお土産を買ってきてくれるので引き受けたわけですが、同僚(いないけど)レベルなら『時間があったらね』と基本断ると決めました。共和国広場からアルノ川方面へ歩いて、わりとすぐにプラダはあります。ブランドものに興味皆無な私は、当然初体験。入った時点でちょっと腰が引ける。レディースの財布はどこですかと聞き、案内された先にいたのはオサレなお兄さん。『英語話せますか?』←英語『Of course』フィレッチェロッサで出くわしたお兄さんでも英語が話せる国で、一流ブランドの店員さんが英語を話せないわけがない。アホな質問をしたものだ。気を取りなおして続ける。『妹に長財布を頼まれたんです。予算はこのくらいで(90~200ユーロと書かれた妹のメモを提示)』『Sorry, madam』マダムと言われてしまった。『この予算では取り扱いがありません。ディスカウントになっているものでも少しオーバーしてしまいます』『じゃあ、それを見せてもらえますか?』案内された先にあったのはベージュの財布。19歳wwの私より11歳年下の妹には渋すぎる色、柄。『他の色はありますか?』『ございますが、また少しお値段が上がってしまいます』妹よ、なんて下調べが甘いんだ。そういやフィレンツェ郊外にはブランドもののアウトレットがあるらしいので、そちらの値段を想定していたのやもしれない。フィウミチーノ国際空港にも.免税店があるよな、と思い出し聞いてみる。『フィウミチーノ国際空港ではあると思いますか?』『あそこはタックスフリーなので、探す価値はあるでしょう』最後にグラッチェと頭を下げ、退店。何も買わなかったが、店員さんは終始物腰が柔らかで上品だった。その後はやはりトリップアドバイザーで口コミのいいレストランで昼食にしようと思ったが、恐ろしく混んでいて断念。共和国広場に戻り、すぐ傍のレストランで昼食にした。立地はいいはずだけど、ローマのパンテオン傍のレストランより安く、味もよかった。ウエイターさんがいまいち愛想が悪かったのが難点かな。腹が満たされた後、ムチュコとムチュメは共和国広場にあるメリーゴーランドに乗る。子供1回1ユーロ、大人は1.5ユーロ。小型だけど6回転したので、お手頃だと思う。それからアルノ川にかかるヴェッキオ橋に。ここは高級宝石店がずらりと並ぶ、とにかく眩しい通り。聞くところによると家賃が高いらしく、必然的に高級品を扱う店しか集まらないらしい。私同様ウインドウショッピングの人々が多い橋で、事件発生。私のピアスがムチュメの髪に絡まり、キャッチ紛失。石畳の間に入ってしまったのか、見つからない。『俺に新しいの買えってこと?』と旦那は青ざめたが、なくしたのはキャッチだけなので購入はせず。そしてドゥオーモへ。フィレンツェの中心ともいえる場所(私感)ですが、やはりどこかのどか。変な布を下げた人は寄ってこないし、グラディエーターもいない。落ち着く街です、フィレンツェ。荘厳な建物の中は普通の教会ですが、キャンドルがありました。喜捨をすれば灯せるようなので、4人全員やりました。その後私はドゥオーモ付属美術館へ行きたいと主張したのですが、『美術館? もうええわ』と旦那が言い放ったことにより、別行動。地図から察するに小さな美術館らしいので、1時間後にドゥオーモ広場で待ち合わせとしました。で、美術館に行ってみたのですが、料金がガイドブックと違う。イタリアは突然の変更が珍しくないようなのですが、どうやら個別に料金を取るシステムから、複数施設まとめてに変更になった模様。具体的にはドゥオーモ付属美術館+クーポラ+ジョットのベルタワー+洗礼堂で10ユーロ。(ムチュコ、ムチュメは無料)これは、複数回る人には以前よりお得。私はクーポラに上るつもりはなかったのだが、個別のチケットがないなら仕方ない。つうか、ドゥオーモ付属美術館、ちっさ。ミケランジェロの未完のピエタを見て終了。せっかくなのでクーポラ上るか、と入口を探す・・・・・・見つからない。で、目の前にはジョットのベルタワー。係員のお兄さんにチケットを見せると、入れと仕草で示された。↑こいつ。強敵だった。ベビーカーを抱えて中に入るが・・・・・・狭いぞ。しかも、絶対にエレベーターないよね。売店のお姉さんに『ベビーカーここに置いていっていいですか?』と質問すると、快く了承してくれた。ま、抱えて上れるわけないしね。で、この階段、本当に狭い。冬場で厚着だから、すれ違う時に壁にコートが擦れる。しかも急で、階段のステップも奥行きがない。それでもムチュメ、がんばって上りました。外から見たよりも低いなー、なんてのんびり構えてたら、時刻はちょうど5時。鐘が鳴り響き、怖がって抱きついてくるムチュメ。『うるさーい』と言いながらも笑顔のムチュコ。鳴り終えた後もムチュメは離れず、しょうがねえなあ、さて降りるか・・・・・・と思ったら、ムチュコ、『こっちにまだ階段あるー』と上りはじめやがった。待てムチュコ。私は13kgを抱えているんだ。必死に追う。太腿が悲鳴を上げる。しばらく上って先ほどと同じようなスペースにいきつく。義男わり、と思いきや、『まだあったー』だからムチュコ、勝手に行くな。ますます狭くなる階段、フィレンツェに行く人に告げる。このベルタワー、マジできつい。太っている人は夢にも上ろうなどと考えないように。未だ私から離れないムチュメを抱きかかえ、頂上のバルコニーに到着した時にはへろへろになっていた。が、ここから見おろすフィレンツェの街は絶品。単純な高度はクーポラの方が上かもしれないが、狭い階段や鐘のやかましさも含めいい思い出になった。その後洗礼堂もちらっと見て、フィレンツェ散策は終了。実際に観光らしい観光はウッフィツィ美術館とドゥオーモ周辺くらいだったけど、実に楽しかった。帰りの電車まで時間があるので、のんびりとプッチ通り(多分)を進む。ここは屋台がたくさん並んでいて、お祭りみたいな雰囲気だった。やはり東洋人とみれば日本人と思うのか、『安いよ安いよ、ビンボープライス』と声を掛けられた。ローマ行きの電車は20:04発なのだが、結構疲れたので駅で食事を取ることにした。地下に何かあるかなー、と思ったが、今作っているところらしく何もなかった。フードコート的なところで時間を潰す。イタリアに来てフードコートってどうよ、とも思うが、あまり歩き回る気力もなく、駅近くに日本食を謳ったデリらしきものがあったがなんとなく不安なのでそこで食べることにした。いちおうマックは避けた。そしていよいよローマ行きのフィレッチェロッサ。往路は時間ぎりぎりだったが、今度は余裕があるので電光掲示板の前で到着ホームの表示を待つ。この駅では英語表示を確認できたので、やはりテルミニ駅では急いでいて見逃しただけかもしれない。↑電光掲示板。到着ホームがまだ出ていない。表示されると、民族大移動が始まる。電光掲示の行き先を見た旦那、『ナポリ行きってあるよ』『うん、ローマはナポリ方面だから』『フィレンツェに来る時もナポリ行きじゃなかった?』『いや、あれはミラノ行きだった』方向感覚はいいはずなのに、疑問である。いずれにしてもフィレンツェは非常によかった。個人的にはローマよりもフィレンツェが好きだ。またいつか、のんびりとフィレンツェで過ごしてみたい。