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カテゴリ:株式投資
新株予約権はライブドアとニッポン放送・フジテレビの買収抗争でちょっと有名になった用語です。
今朝の新聞でも似たような事件が掲載されています。 産業用制御機器製造のニレコが敵対的買収防衛策として導入した新株予約権の発行に対して東京高裁は同社の抗告を棄却する決定をしました。 この前段階で、株主である投資ファンドの申請を受けて東京地裁が発行を差し止める仮処分命令を出していたのですが、高裁がこれを支持したわけです。 これはライブドアの事例と同じ方向の判決です。 株式投資をしている人でも詳しくは知らない人が多いし、まして株式投資をしない人にとっては何のことやらわからないかもしれません。 今回の東京高裁の決定理由は次のようになっています。 「予約権が発行されると株価は3分の1程度に下落する恐れがある。買収と無関係な既存株主に不測の損害を与えるおそれがあり、商法が禁じる著しく不公平な発行に当たる」 もっとわかりやすく説明してみましょう。 価値のない会社を買おうとは誰も思いません。価値があるのにそれを現経営者がうまく生かした会社経営をしていない、自分ならこの会社をもっと利益の出せる会社にできると判断した人が高額の資金をつぎ込んで買収しようとするわけです。 つまり、現在の経営者に、あんたは経営者として無能だからやめなさい、代わりに私がやりますと言っているのです。 これに対して、経営者が自分の無能を棚に上げて、自分の仲間に株式を発行する予約権を与え、議決権の過半数を維持して、取締役の地位を失わないよう保身するのは、正当な行為ではないでしょう。 会社の財産は同じなのに株数を増やせば1株あたりの会社財産の持分は薄まってしまうので、株価は下がり、関係のない株主が大損します。取締役の保身のために何で一般株主が損をしなければならないの?というわけでこれは相当の理由がないと認められません。 敵対的買収を仕掛けられる経営者は、買収に対する防衛の腕を磨くより、経営の腕を磨くほうに力を入れて欲しいものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.06.16 17:22:59
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