カテゴリ:とりとめなく
昨日、浦河べてるの家の講演会を聞いてきました。
浦河は北海道でも寂しいところにあります。地震と馬で有名でしょうか。えりも岬が近いのですが、私から見ると、黄金道路を思い出す地域でもあります。 ここに数百名の精神障害のある方々が地域にとけ込んで暮らしています。私は知らなかったのですが、ここの活動はとても有名で、幻覚妄想大会などには多くの方が日本各地から浦河町に集まるようです。(経済効果大!) 昨日は、どこにでもある差別や偏見の中、べてるの家が、今や浦河町を代表するような活動を行っている団体になった、その理由を教えていただきました。 講演のまとめ役である精神科医川村氏の最初の自己紹介は、「私は治さない医者です。」でした。幻聴をもとに作詞した歌を木林さんが明るく歌を歌ったあと、川村氏が、「幻聴を治せば木林さんの明るい歌も消える、それが良いことなのか、悪いことなのか、僕には分からない。」と、おっしゃって、その意味が少し分かったような気がします。 会場からの質問「偏見にはどう対処するのでしょうか?」に対しては、「偏見は温めて返す」と答えられていました。偏見を無くそうと戦うのではなく、偏見を温かく受け止めて、理解する。その上で温かい気持ちで活動していく、ということのようです。これって、世界平和の基本ですよね。 薬の使用については、「薬を治すために出すことは無い。失敗するための薬を出すことはある。」とおっしゃっていました。幻聴や異常行動を無くすることはできるかもしれない、しかし、それが本人の為になるのかわからない。むしろ、失敗することが大切である。失敗して、学ぶことで、次に少しでも繋がる。その元気が出るための薬は出すが、そうでない薬はださない。ただし、その失敗を受け入れる地域が必要である。それが浦河である。・・・この言葉も心に残りました。 べてるの家の皆さんの話はどれも気持ちの良いものでした。すんなりの心に届く、妙に装飾されていない、しかし本質的で重みがあって、だけど笑える、そんな話でした。 浦河べてるの家について説明することは、私の貧弱なボキャブラリーと知識ではとても不可能です。幸い、ホームページがありますので、詳しくはこちらをご覧ください。 べてるの家 私にとっては、畠山卓朗先生の話を初めて聞いた時に受けたショックに負けないくらいの、大きなショックを与えられた講演会でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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