カテゴリ:睡眠
ここの病院では患者同士で挨拶をあまりしない。 これが、ずっと気持悪かった。 と言う自分自身も、すれ違う時に軽く会釈する程度だったのだけれど。 退院の朝、洗面所に行くと、別の病室の男性がいた。 しかし、*いつものように*特別な挨拶はお互いに無かった。 そのまま彼は出ていってしまった。 その直後、小学校の低学年くらいだろうか、小さな女の子が入ってきた。 この子も挨拶をせずに、顔を洗いはじめた。 そっと見てみると、実に几帳面に洗面をしている。水を大切に、回りに迷惑がかからないように、ちゃんと洗面していた。私よりも礼儀正しい。だかというわけではないのだけれど、「おはよう」と言ってみた。すぐに彼女はこちらを向いて「おはようございます」と礼儀正しく明るく元気にこたえてくれた。 なんだか、ホットした。 可愛らしい洗面を終えたその子は洗面所から出て行ったが、外で何か一言二言の会話が聞こえたような気がした。直ぐに、やや高齢の女性が入ってきたのだが、入るやいなや「おはようございます」と言ってくれた。きっと、さっきの女の子が廊下でこの女性に挨拶をしたのだと思う。 挨拶の輪が広がったのだ。 嬉しい朝になった。 何はともあれ、退院。 最後の診察を受けて、今後の話などする。 特に規制事項はないが、アルコールやチョコレートは禁止とのこと。ちょっと残念。いや、とても残念。 診察を終え、身支度も調え、入院の支払いも終えて、未だ夏真っ盛りの外に出ると、さすがに夏の太陽の下を歩くのはまだ辛かった。できるだけ日陰を歩いて、電気屋さんの誘惑も無視して、急いで帰宅した。懐かしい自宅に戻ると、すぐに畳の部屋でごろんとなって天井を見てみた。 そこに見えたのは、 グレー天井と薄い緑のカーテンではなくて、 古びた木の天井と欄間だった。 そろそろ張り替えないとだめかも。 やっぱり家はいいね。(^_^)v お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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