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2006年11月26日
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カテゴリ:とりとめなく
私自身は恐らくは自殺願望を持ったことがありませんので、これについて語る資格はないかもしれません。しかし、テレビの向こう側から、生きる大切さを語り、自殺をやめさせようとする人たちの努力は、どこか間違いがあるような気がしてなりません。

こんなコメントを多く聞きました。「生きていれば、次に楽しいこともやってくる」、「命は大切だ」というふうに、人生の素晴らしさや、生きる意義を伝えようとするものです。持論を熱く語る人もいたように思います。

話していることそのものは間違っていないと思うのですが、自殺を考え直してくれた人がいたとしたら、それはそのメッセージを素直に受け止めたのではなく、関心を持ってもらったことに対して、反応してくれたのではないかと思います。たいていは、心を素通りして、自殺という病気の薬には、あまりなっていないように感じます。

そう、自殺は病気だと思っています。自殺したいという気持ち以外、他のことは頭に心に入ってこなくなる病気です。いくら正論を並べても、それが伝わらないのが特徴のように思います。伝えるべき内容だけいくら用意しても、つまり人生のすばらしさをいくら訴えたとしても、それはかえって負担になるのではないでしょうか。今にも切れそうな、すっかり細くなってしまった心への通り道が、あふれ、破壊してしまうことをとても恐れます。すでに涙でいっぱいなのに。

病気の治療に効果があるような、つまり、心に届くようにメッセージをTVを通して発することのできる人は少ないと思います。本当に少ないと思います。ですから、むやみに、メッセージを出してほしくないと思うのです。細い通り道に乗せるべきメッセージは、吟味されなくてはならないと思います。それは友人や家族、あるいは専門家しかできないと思います。

もし伝えるならば、生きる大切さをいうようなメッセージではなく、「一人で悩まずに、周りの人と相談して」と、そうした、メッセージを伝えられる人と関係を持つように促すようなアドバイスが良いと思います。


ただ、問題は、友人や家族が、気が付くかどうかなのですが・・・

先生という職種は、これが出来なくてはならないと思います。

気がつかれにくい病気であることも知っておくべきだと思います。






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最終更新日  2006年11月26日 08時54分54秒
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