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2007年01月05日
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カテゴリ:とりとめなく

たまたま CNN.com を見ていて驚きました。USではありそうな話で、興味本位で取り上げられただけかもしれないのですが、皆さんにも紹介しておきたいと思いました。少し長くなりますが、お許しを。


Ashley は笑顔の愛らしい女の子。ただ、生まれつき脳に障害があり、立つことはもちろん、寝返りをうつのも難しい。知的障害もあり、写真ではにこやかに笑っているが、会話は難しい。外部に良いサービスが無いということで、自宅で両親と一緒に暮らしている。

Ashley の両親は 2004年7月に大きな決断をした。それは、Ashley の身体の成長を抑制することである。ホルモンに関する外科治療ということであるから、精確なところは分からないが、何らかの方法でホルモンの分泌がされないようにしたか制限するようにしたのだと思う。結果、大人になれば 168cm 近くなるはずであるのに、92cmで成長は止まっている。

成長を抑制した理由のうち、もっとも大きな理由は、介護のようだ。Ashley が両親と暮らし、快適な生活を送っていくには、小さくて軽いことは大切だと考えた。食事や移動、日常の生活において、小さいほうのままが良い、そう考えたのである。

それだけが理由ではない、Ashley はベットでの生活時間が長いので床ずれは深刻な問題となるが、それを回避しやすくなる。また、女性として、胸の成長を止めることにもなるが、これは乳ガンのリスクを低くすることにもつながるとしている。担当した医師も、成長を止めることの危険は特には無いとしている。

結果として、Ashley は、快適な介護を受けながら、様々な経験を沢山しながら生活していくことが出来ると両親は信じている。また両親は、Ashley に対する愛情があるからこそ、こういう決断をしたのだと強調する。

ニュースによれば、これは US において一般的な考え方になるとは思えないとしているが、ADHD の子が授業中に静かにするように、教師が親に薬の投与を求める国だから、小さいまま育つ子 pillow angel は増えるかもしれない。


さて、私は、単純にこれがとんでもない考えだと非難するつもりはない。どんな考えも、議論すべきだと思う、むしろ、感情的になって、この考えを否定することはしてはいけないと思う。決してこの両親は、親の介護のしやすさの観点からこう決断したわけではない。あくまで、Ashley にとっての幸せを考えてのことだと両親は言う。確かに、Ashley は親が生きている限りは、親の愛情を受け続けるだろう。外出したり、本を読んでもらったり、お人形で遊んだり、沢山の経験を身体的な負担も少なくすることが出来るだろう。

しかし、しかしながら、これはやはりいきすぎだと思う。昔行われていたロボトミーの対処療法に似た不気味さを感じる。また、身体的な成長で経験することも多いはずだ。生きる上で必要なのは快適な経験だけでもないはずだ。不快だって大切な経験だ。それを親の権限で奪うことなど出来ないはずだ。脳の失われた機能を再生する技術だってだんだんと進歩している。この先、どういう未来が訪れるかなんて、誰にも分からないはずだ。


当事者の Ashley が望むならば、こういう選択肢もあるかもしれないが、Ashley は、自分でそれを選択できない。

(詳しくはこちらをどうぞ -> Surgery to stunt disabled girl's growth raises ethical questions







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最終更新日  2007年01月06日 12時01分07秒
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