あるが侭に・・・

昨晩、中途覚醒してからは寝たり起きたりを繰り返し、布団の中でもがいてい
た。気が付くと朝日が差し込んできて、朝が来た事を知らせていた。
下の子は朝から元気一杯に体を動かしては、なにやら話している様子だった。
うだうだと布団の中にいると上の子が傍らに来て「パパおきて」と起こしにき
た。うーん、ちょっと気だるいが起きるとしよう。

アモキサン25m×3、レキソタン5m、スルピリド100m、テノーミン25mを服用して
煙草を一本完全に灰にした。

上の子は既に朝食を取り終えていたようで、ピアノの前にストンと腰を下ろし
て、課題曲を弾いては得意げな顔をしていた。

僕は眠気覚ましにコーヒーを入れ煙草を灰にしていく。

今日はなんとなく体調が良いような感じだったので妻にある提案をした。それ
は下の子の保育園に顔を出す事。まだ一度も下の子の保育園に顔を出した事が
なかったので一度顔見せをしておかないとと思っていたのだ。しかし、妻は「
何で今日な訳？」
がっくりテンションが落ちた。今日は上の子が病院に行ってから保育園に行く
事になっていたので時間的に僕の出社時間に会うかなと思ったから言ってみた
のに。そんな言い草ないじゃないかと思いながら渋々提案を却下した。
これでテンションが落ちてしまった僕はまた会社に行くのが億劫でたまらなく
なってしまった。妻よ、僕はまだ抗鬱剤MAXで飲んでいるんだ。油断しないでく
れ。

子供達が保育園に行く時間になったので見送る。心の奥ではまだ下の子の保育
園に行ってみたい気持ちがあったが、ぐっとこらえて笑顔で見送った。

出勤時間が近付いたので身支度をした。その後、携帯をチェックする。ん？メ
ールが入っている。しっかり読み返信した。

段々と暑さも和らいできたのか、外に出てもむっとした感じは受けなかった。
それでも駅に着いた頃には汗でびしょびしょだったのだが。
汗もひいたころ電車がホームに入ってきた。電車内は閑散としていた。そうか
本格的にお盆休みに入ったのだと悟る。ちなみに僕の会社は外資なのでお盆と
いう概念がないため、そういった休暇は一切無い。

休みたいなと思う気持ちを飲み込んで、電車内に身体を入れた。いつものよう
に揺られて行く。

オフィスに入る前に気付けの一本を灰にする。

今日は午前中にミーティングがある予定なので、ちゃっちゃとメールのチェッ
クなどをした。
ミーティングの時間になったが何も動きが無い。
上司が僕のところに来た。今日は休みの人が多くメンバーが少ないのでリスケ
しようということだった。出足払いをくらった感じでがくっと首が折れる思い
だった。

お昼、妻と二人で外に出た。昼食を何にしようか迷ったが、精のつくものと思
い焼肉屋に入った。

午後、ルーチンワークをこなしながら、合間をみてメール等をする。淡々と時
間は過ぎていく。ＢＧＭは林檎の１ｓｔ。耳はイケイケなんだけど、気持ちは
まだついてこない。タンタン。淡々。まさにこのペースが今の僕の最良のペー
スらしい。
ちなみにブルースはタッタ・タッタ・タッタ・・と心音のようなリズム。だか
ら心地よい。

仕事も終えた頃、大阪から上京してきた友からメールが入った。到着したとの
事だった。僕は急いで帰る準備をし、友の待つ溝の口に向かった。この友も軽
度の鬱である。

友と再会し、酒を酌み交わしいろいろな話をした。友は昨年離婚した。その旦
那が元はまじめ一筋だったのだが、出会い系にはまり、女の子とあいまくって
結局出来ちゃった結婚をすることになって、彼女は鬱になった。

その詳細を笑って話せているので一安心した。

少し眠くなってきたのでお開きする事にした。しかし僕にはまだやる事がある。
それは、スナックで働いている友がやめたがっていることをママにしっかりと
話してくる事だ。

眠気が襲ってくる中、二子玉川に向かう。駅に着いて直ぐにスナックに電話し
ママに代わってもらった。「bluesです。友のことで話をしたいのでいきます」
ママは状況をさっちしていたのか待ってるとだけ行って電話をきった。

足早にスナックに向かう。久しぶりに入った店は非常に混んでいた。うーん、
ママとは話せないかもなと思っていたら、後ろから「bluesちゃん」とママが
声を掛けてきた。そこで友のこれからのこと今の状態について僕は真剣に話し
た。ママは８月一杯はシフトどおりに働いてほしい。そして週に１度でもいい
からこのまま続けて欲しいと言っていた。
僕は元々辞めさせるつもりでいたのでその話しには聞く耳をもたなかった。
まあ、ママの気持ちも分かるが、状況的に友がこれ以上お店で働く事は危険な
ので可能な限り早く辞めさせてあげたい。

店の中でメールなどして携帯で遊んでいると、一人の女の子が僕の携帯を取り
上げて、水の中にいれようとした。この子は昔僕に告白したことがある子で、
まだ思っているのかとその時初めて感じた。

結局、話し合いも中断となり中途半端な酔いだけが残った。歩いて帰るのが面
倒だった僕は久しぶりにタクシーに乗って家へと帰った。

無事、友の希望通りに事が進む事を祈って。。