発達障害の中学2年生の息子りおは本が読めない。
漢字の読み書きはあまり問題もなく、図鑑等であれば、子供向きのものでなくても解説文をかなり読みこなす。それ以外も新幹線99の謎などのように好きなものの説明がしかも短い章で話が独立しているようなものは好んで読むのだが、物語系は全くだめなのだ。
何とか読書に興味を持たせたいとあれこれ用意した本は手に取られることもないまま子供部屋の本棚の一角占めていた。それが昨夜、海底二万マイルとシートン動物記を持ち出して読んでみたいという。
えっ、本当に読むの。
ソファで並んで見ていたら、やはり挿絵や目次からおもしろそうな所を拾って読もうとする。
大だことの格闘だって
ねぇ、最初だけでも読もうよ。登場人物が分からないじゃない。といって、一章だけは一緒に読んだが、その後は好きに読んでいる。今日も学校から帰ってから手に取って楽しそうに読みふけっている姿を見ると、こういう読み方でいいような気がしてきた。
あっちこっち、とばしながら読んでいるのだが、それでも話の大きな流れはおさえているようだし、何より楽しんでいるのだし。
そう、思ったのはドナ・ウィリアムズの本(自閉症だったわたしへ )を読んだせいもある。本の中で彼女はあるときから目に付く言葉や名前だけひろって飛ばし読みをしていくことにより、何とか全体像をとらえることができ、本を読むことができるようになったと語っているのだ。一行ずつ追っていくと言葉は全部分かっているし、その文自体は何を語っているのかわかるのだが、どうしても話が飲み込めないと。
そうか、この子達は読み方も自分独自のものがあるのかもしれない。それでも、いいや。いろんな本を読んでみようよ。そして、いつか心理描写なども読んでみて欲しいな。
残念ながらりおが小学4年生レベルとは言えない例がこの本を読んでいるときにも一つ見つかる。
”助手はよく気の付く若者で私とは丁度10才ちがいだ。”
この文章の前には主人公の教授が40才であることが書かれている。
じゃ、この助手君は何才かな?
50才?
・・・・
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