夕食をテーブルに並べながら、姉娘が口ごもりながら話しかけてくる。
学校の先生が心臓発作で急死されたと話し終わった頃には涙をこぼしている。担当ではなかったけれど好きな先生だったらしい。夕食の間中涙ぐんでいた。
姉娘が今まで出合ったのは二人の祖父の死で、しかもまだ小さい頃だったから死というものをはっきり認識するのは初めてなのかもしれない。
親しくしていた人がある日突然いなくなって、二度と戻ることはない。
私の年になると既にいくつもの野辺の送りに立ち会っているし、当然天寿を全うしたという人だけではない。
18歳で交通事故で死んだ従姉妹もいた。
30代で3人の子供を残して癌で逝った同僚もいた。
学校時代の級友も一学年に1、2人位の割合で既にいない。
最近物騒といっても日本で死は日常的なものではないけれど、確率が低かろうと不慮の死に見舞われた時、周囲の痛みは果てしなく大きい。
避けられないものだけれど、せめてあまり理不尽なものに出会いたくはない。でも、それは人智の外の事なのだよね。
元気付けというほどのものではないけれど、今朝の朝食は姉娘の好きなクラムチャウダーを作る。お陰で遅くなってしまったけれど、ブランチもいいでしょ。しっかり食べて、日々の生命力を養ってくれ。それが辛さに耐える力を作ると思うよ。
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