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今は昔、とある地方の村に鬼ヶ島という鬼の住む島がありました。そこに住む鬼は凶暴凶悪で、海を渡り村に来ては悪さばかりしていました。村人たちはその鬼たちの行為をただ見ていることしかできませんでした。
その村のから少し離れた山のある家に、お爺さんとお婆さんが二人きりで住んでいました。その老夫婦に子供はいませんでしたが、幸せに暮らしていました。 ある日お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行きました。お婆さんが川で洗濯をしていると、上流の方から大きな桃が流れてきました。お婆さんは驚いてその桃を見ましたが、あとでお爺さんと食べようと、その大きな桃を持って帰りました。 お爺さんが山から帰ってきて、二人は早速桃を食べることにし、お爺さんは台所から包丁を取り出してきて桃を切ろうとしました。その時、桃は金色に輝き、そして次の瞬間、桃は独りでに割れました。お爺さんとお婆さんは驚いて伏せていました。それから恐る恐る割れた桃の中を覗き込みました。すると中に一人の男の赤ん坊が横たわって泣いていました。二人は、始めは戸惑いましたが、その子を天から授かったものだと喜び、桃太郎と名付け、育てることにしました。 桃太郎はそれからお爺さんお婆さんのもとすくすくと育てられました。不思議なことに桃太郎は常人の何倍もの速さで成長し、また、桃太郎は普通の人とは比べ物にならないくらいとても強い力を持っていました。 桃太郎が普通の人では十六、七歳くらいに成長したある日、村での鬼の悪事に見かねた桃太郎は、鬼ヶ島に鬼退治に行くと言い出しました。お爺さんとお婆さんはひっしで止めさせようと説得しましたが、桃太郎の意志は固く、二人は桃太郎を行かせることにしました。お婆さんは黍団子を作り、お爺さんは村人たちの協力も得て、鬼退治のための武具を準備しました。 そして、桃太郎は鬼ヶ島へと旅立ちました。旅の途中桃太郎は犬、猿、雉に会いそれぞれに黍団子を与え、共に鬼ヶ島へ行くことになりました。 海を渡り鬼ヶ島にたどり着き、とうとう鬼を退治することができました。桃太郎たちは大喜びで村へ帰り、村には再び平和が戻りました。しかし、桃太郎には、気になることがありました・・・。 桃太郎が退治した鬼たちのもとを去るとき、瀕死の一匹の鬼が 「おのれ・・・桃太郎。い・・・つか・・われわ・・・れは・・・・また・・・よみが・・えり・・・、この・・・恨み・・・をかなら・・・ず・・・。」 と言い残し、力尽きたのです。桃太郎はこの鬼の言葉を不安に思い、鬼を退治した数日後、町の有名な術師を呼び、鬼ヶ島全体に強力な結界を張り巡らせました。もしいつか鬼が復活したときに、決して島から出てこられないように・・・。 鬼との戦いで傷つき死んでしまった犬、猿、雉たちは、それぞれ祭られるようになりました。 そしてそれから八百年の年月が流れました――。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年05月31日 21時13分37秒
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