素盞嗚（スサノオ）の日本古代史

ちょっと前の話なんですが、

性悪越後屋に鉄槌を加えるべく、

「越後屋閉込め大作戦」を断行しました。

「ほれ、越後屋、エサじゃぞ･･･」　

素盞嗚君は障子に手を掛け、

その時を待ってました。

「もう少し中に入らんか！」

「そうじゃ、そうじゃ♪」

そして障子を閉めようとしたその刹那････　

「お、おさよ･･･」

なんとおさよまで入ってきちゃいました。

「えーい、ままよ！」

パシャッ！

「や、やられた！」

越後屋、何を思ったか、

障子に前足をかけて駆け上ったぞ！

ゴン！

天上に激突！

････落下････

すぐさま隣の洋間に行って、

今度はカーテンに前足をかけて駆け上ったぁ！

････

ゴン！

再び落下････　

越後屋もパニくってたけど、

素盞嗚君の心臓もバックバク･･･

「こ、こえ～」

越後屋、一瞬こっちを睨んで、

今度は２階に駆け登った。

「い、いかん、２階事務所の戸を閉めてなかった！」

････

ガラガラッドーン！

どうも２階でも天上に激突したらしい。

素盞嗚君も２階に行くと、

越後屋はこっちをすんごい形相で睨みつけてる････

気が付いてみると越後屋の逃げる退路に

素盞嗚君は立っていたんです。

「い、いかーん、襲われる･･･

　何か武器になるものは･･･」

手を机に伸ばしてみた････

ぬるりん･･･

「な、なんじゃこりゃー！」

越後屋君、失禁・・・・

よく見てみると仕事の書類がびちょびちょ････

「て、てめー！

　げ、ベッドにまで･･･」

それに臭いし････

いやいやそれより武器や！

右手につかんだのは　これ････　

　ううう、こんなんで勝負せないかんのかい。

「お、おら、かかってこんかーい！」

ひっぴり腰の素盞嗚君、

人が見てたらカッコ悪かったでしょうなぁ･･･

一方越後屋も失禁するぐらいなんで

かなり怖かったんだと思います。

結局かかってくることなく、

足元をすっと抜けて１階に降りて行きました。

はっきり言って捕獲は絶対無理だし、

充分恐怖も与えたんでここらで逃がしてやろうと

素盞嗚君も１階に降りて障子を開けたんだけど、

肝心は越後屋がいない････

「あれ、越後屋どこにいきおる？」

それはそうとおさよもどっかにいるはずだ。

団扇を盾に隠れそうなところを見たんだけど、

いない････

外に出た形跡もないし････

ん？ま、まさか!?

その裏におるのか？

 い、いた････

「お前、そこは宮中で親父が叙勲を受けた記念の写真やど！」

こんなところでさらに失禁でもしようもんなら、

シャレにもならん。

うしろから尻尾をむんずとつかんで

引っ張ってみたけど、

もし引っ張り出しても間違えなく暴れる･･･

こいつぁ得策じゃーない。

ちゅーことで逆に押し込んでみました。

越後屋は勢いよく前に飛び出し、

一目散に外に出て行きました。

なーんか後味の悪い「閉じ込め大作戦」でした。

あれ、待てよ、おさよはどうした？

「ほれ、おさよ、どこじゃ？お前も外に出ていいんじゃぞ」

しばらくすると隣の洋間の片隅から

飛び出してきたおさよも外に出て行きました。

素盞嗚君も見送るように外に目をやると、

「げ、お吟！見てたのか･･･」

もしかするとこの一家、もう二度と来ないかもしれない････

少なくとも越後屋は来ないだろう･･･

そう言えばキムポンも全然来ないし･･･

まーよい、これで仕事に専念できる♪　

さて翌日。

来ないと思いつつサッシを開けてみた･･･　

「やっぱりいないわなぁ･･･さて仕事仕事！」

なんか悲しい素盞嗚君でした。

ふんニャぁ、ふんニャぁ・・・

ん？

お、お主は・・・・