|
カテゴリ:カテゴリ未分類
本州に入った素盞嗚くん、
横浜まで陸続きだと思うと、 とーても気が楽になりますた。 最悪でも歩いて帰れるとよ♪ 桂小五郎も長州から江戸まで歩いたばい。 山下清も一文無しで全国放浪したばーい! 気持ちが楽になると、 やっぱり眠くなるたい。 昨日は4時間歩いて、 2時間ぐらいしか仮眠しとらんし・・・・・ 早よ、おウチに帰りたいよぉ・・・・・ そんなこと思いながらウトウトしてますた。 素盞嗚くんが座っとったところは 車両のちょうど中程。 前からまた車掌が来おった・・・・・ 早よ通り過ぎんかーい、うっとーしいばい。 「えー、お休みところ申し訳ございませんが、 これより検札を行いますので、 お手元に乗車券をご用意くださーい♪」 ほ、ほぇ???? い、今なんつった? 眠気はマッハのスピードで吹き飛び、 口の中は一瞬でカラカラ・・・・ 「カラカラ」ゆーても お尻フリフリのカラじゃーなかとですよ。 のわー、 そげなことゆーとる場合じゃなかとぉ! どーすっと! どーすっとぉぉぉぉ! せ、せやせや! ココは死んだふりしかなか! アタシは死んどります。 アタシは死んどりますぅ。 何があっても目を覚ましましぇーん! イ、イカンイカン。 ココはやっぱり念じるほうがよか! アタシは透明人間ですたい! 誰にもアタシは見えんとです! 誰にもアタシは見えんとですぅぅぅぅ! ・・・・・・・ 車掌のバカタレの声が近づいてきたばーい! 誰にもアタシは見えんとですぅぅぅぅ! 早よ、立ち去れ!悪霊ぉぉぉ! ・・・・・・・ 「お休みのところすいません♪」 ふが・・・・・なんね? 「乗車券を出してもらえますか♪」 はふはふ・・・ おろ?・・・・・ おろろ??・・・・ わざとらしく ポケットを探すふりする素盞嗚くん・・・・ 「あとでまた来ますので、 よーく探しといてくださいね」 とーても冷たい声で言いよりますた。 一旦立ち去った車掌やけんが、 でも数分後にはまた来るばい。 どーすっとぉ! 考えろ、考えるんやぁぁ! えーと、えーと・・・・ まずはキップを失くしたことにするばい。 これは決定。 長崎発200円の切符見せるわけにゃイカンけん。 次は・・・・えーと、えーと・・・・ せや、 どっから乗って、 どこまで行くのか絶対聞かれるはずばい。 んーと、 途中の駅名覚えとらんし、 実際に乗った「下関」って言うしかなかばいね。 目的地は「岩国」でよかね。 もう10分もすれば着くし。 次に運賃を調べねば。 ケータイ取り出してと・・・・ て、手が震えとりますばい・・・・ んーと、んーと・・・・ 2,940円ですたい。 所持金は3,580円だったばいね。 最悪精算しても、640円残るばい。 ちょっと待て! 640円握って岩国の駅の外に出たらどーなるとぉ? ・・・・・ 岩国の地に骨を埋めるとですかぁ・・・・ イカンイカン・・・・ 他に手はなかとですか? 岩国からの乗り継ぎは約50分待ちで 「三原」まで行くんやったね。 50分ホームで逃げ回って三原行きに飛び乗る! 無理やぁ・・・・ ・・・・・・・ 「お客さん、乗車券はありましたかぁ?」 フガフガ・・・・・ 来てもうた・・・・・ ありまっしぇん・・・・ どっかで失くしたみたい・・・・ 「どっからきたんですかぁ?」 下関でぷ・・・・ 「ほー、で、どちらまで?」 岩国っしゅ・・・・ 「そーですかぁ、では岩国に着きましたら・・・・・・」 ふ、ふぁい・・・・・ 車掌はそのまま立ち去ったとです。 岩国に着きましたら・・・のあとの言葉は 混乱してて、何を言われたか今でもわからんとです。 その場で精算することは免れますたけんが、 いずれにしろ、 2,940円払うしかなかとですね・・・・ アタシの人生は岩国で終わるとですね・・・・・ 「いわくにー、次は終点いわくにぃー」 電車の扉が開きますた・・・ 死刑台に向かう囚人さんの気持ちがわかったような気がすますた。 ホームに降り立って、天を仰いだ素盞嗚くん。 万事休す・・・・・・ ここで素盞嗚くんの人生は終わってしまうのかぁ! 次回に続くぅ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|