思い出。
明日、家を出るにあたって一人思い出していた。
15歳の時に引っ越してきたこの家。
それから約10年間この家と共に過ごしてきた。
柱の傷も壁の落書きも、全て思い出が詰まっている。
まさかこの私がこの家を出るなんて、思ってもいなかった。
15歳の私と共に育ってきた三匹の猫達との別れは
悲しく、そして切ない。
三匹が赤ちゃんの時から共に過ごしてきた。
夜中にミルクを作って与えたり
病気になれば抱き抱えて病院へと走った。
私はこの子達に無償の愛情を与えてきたつもりだ。
猫にとっちゃ迷惑だったかも知れないが、それでも愛しくて仕方なかった。
私にとって、この子達は全てだったのだ。
しかし、今私の中にはもう一つ愛しい者がいる。
だからこそ、長年住んだこの家との別れを選んだのだ。
ミル、チャミ、アトム。
お母さんは明日、遠くに行ってしまうけど
みんな元気に仲良くしてね。
ミルはお婆ちゃんだから、無理しないでね。
カルシウムたくさんとるようにね。
チャミは人見知りが激しいからストレスで
よく毛が抜けてしまうけど、あまり神経質にならないでね。
アトムはまだ若いからやんちゃ盛りだね。
毎日走り回って怒られないように。
あと、アトムは尿路結石になりやすいから
水分をいっぱいとるようにね。
お母さんからのお話はここまで。
ミル、チャミ、アトム。
みんな大好き。