テーマ:Jazz(1977)
カテゴリ:★★★☆
マジメに作ったユゼフ・ラティーフには申し訳ないが、この作品、何とも「怪しげ」で面白い。中途半端に東洋崇拝的なところの胡散臭さがたまらないのだ。
東洋と言えば、偽装大国の大陸系某大帝国、「将軍さま」の率いる半島系某インチキ帝国、経済発展を遂げてジャズの大消費地として名を馳せつつ、ジャズでは食って行けないのが当たり前となっている某列島国家・・・このように列挙してみるだけで、東洋には如何に不思議に満ち溢れているかが良く分かる・・・? えっ、「へび使い」のような音階のどこが東アジア的だって?うーん、確かに「へび使い」といえばハクション大魔王のような西南アジア系の怪しい男のイメージが強いが、「中国ハ広島のウマレアルヨ!」でお馴染みの日本の誇るへび使い「ゼンジー北京」師匠を忘れてもらっては困るアルヨ・・・。そうだ!このラティーフの作品はゼンジー北京のマジックショーに通じる怪しさだったのだ。ゼンジー師匠はインチキトークと怪しげな小手品で観客の心にスキを作った上で、最後に本物のマジックでアッ!と驚かせる。ラティーフのこの作品も同じで、アジアン・テイストで散々かき回しておいて、渋めの4ビートで聴かせてくれるという作戦か。そう言えば、銅鑼が入っているのもゼンジー師匠とラティーフ作品の共通点かもしれないな・・・。 1曲目の"All Alone"はアーヴィング・バーリン作のスタンダード。エスニック・テイストなアレンジが施され、このアルバムの1曲目にふさわしい仕上がりとなっている。こういう曲を吹いているときのラティーフが実はかっこいいと思うのだが・・・。 2曲目はインチキ・フレーバー満載の"Anastasia"。へび出没に注意。 3曲目はラティーフ作曲のハードバップ風マイナー曲"Minor Mood"。サビは「へび使いモード」となっているものの、ウィルバー・ハーデンは普通に吹いちゃってます。(ダメじゃん!) 4曲目は"Taboo"。日本では「8時だョ!全員集合」のおかげでストリップ・ソングとして有名となった曲だが、この演奏も怪しさ満点。サックスではなくフルートを使っているのが逆に怪しを増している。ラティーフに触発されたハーデンがアの手コの手で攻めているのがおかしい。(努力の跡は分かるんだけどネ。) 5曲目"Lambet's Point"はハーデン作のハードバップ調の曲。この作品をここまで聴き進むと、このような普通のハードバップ調が退屈になってくるから摩訶不思議。こうして、聞き手はラティーフの術中にはまって行くのだろう。それにしても、ハーデンの柔らかい音色(フリューゲルと書いてあるが、フリューゲルのマウスピースでトランペットを吹いたような音色)は心地よいなー。 6曲目はラティーフの作った曲だか語りだか分からないもの。どの地域の音楽なのか、何語で歌っているのか、サッパリ分からない。何だか分からないが、ここまで来たら何でもアリになっている自分に気が付く。 こうして聴いてくると、ゼンジー師匠の最後のびっくりマジックにあたるのは6曲目だったのかもしれない。ジャズの方が実はインチキトークだったのだろうか・・・。 猫麻呂ポイント:★★★☆(3.5)←ジャズと思って聴くとこんな感じ Yusef Lateef / Other Sounds (NewJazz) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年10月12日 11時33分08秒
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