|
カテゴリ:カテゴリ未分類
イエスの新作が出ました。 正直ジョンアンダーソンの居なくなったイエスになってからどうにも気持ちが盛り上がりきらないのです。 どんなラインナップになっても、今回のアルバムでもイエスらしさは感じられるのですが、ボーカルはやはりアンダーソンでないと、盛り上がりのところでグッとこないのです。 ではアンダーソンのソロを聴けば良いかというと、そうでもないところが困ったもので(笑)、やはりハウやホワイトのお馴染みのフレーズが聴こえて来ないとイエスって感じには感じられないのです。 という大前提の中で今回の「クエスト」はというと… 前作「ヘブン&アース」よりはプログレ感が感じられイエスらしいアルバムに仕上がっていると思います。 コロナ禍の中制作されたアルバムなのでメンバー全員が一堂に会してという作り方は出来ず、作曲者がデモを作り、各メンバーの演奏に差し替える手法で作られたそうですが、その割にはバンドらしいサウンドに仕上がってると思います。 またアレンジはよく練られていて、丁寧に制作された感じが伝わってきます。 ただ、やはり物足りない面があるのは否定出来ません。 個人の好みの話になってしまいますが、やはりデヴィソンのボーカルは好きになり切れないのです。 高音は今のアンダーソンより安定して出せそうで、ライブは彼無しに成り立たないことは十分理解出来るのですが、線が細い声なので盛り上がりの場面でどうしてもアンダーソンでは感じられる突き抜け感が物足りないのです。 それとハウ中心で楽曲制作が行われたことと関係あるような気がするのですが、キャッチーなメロディはハウの弾くギターソロにばかり出てきて歌メロは耳に残らないボンヤリした旋律の曲が多いように思います。 最初と最後の曲、「アイスブリッジ」「リヴィングアイランド」はとても変化に富んでいてイエスらしい優れた楽曲だと思いますが、この2曲ですら歌メロよりギターソロの方が耳に残る感じはあります。 あとは各所で指摘されてるように大人しめの楽曲が続きます。 2、3曲目など曲の途中から始まってるような感じがして、単独の曲として成立してないように感じました。 そんな中ではスクワイアの意思を継いだシャーウッドが久々に高音域全開で歌う「ウエスタンエッジ」や、ホワイトのシャッフルリズムが心地よい「ミュージックトゥマイイアーズ」が印象に残ってます。 このアルバム何度か聴いてるうちに、もしかすると「海洋地経学の物語」の21世紀仕様のコンパクト版ではないかと思うようになりました。 海洋のように長い曲が4曲という構成ではありませんが、通して聴くとなんらかのトータル感は感じられるので、10年後くらいに突然良さがわかって愛聴盤になるのかも?と思ってます。 実際、海洋の良さがわかるのに15年くらいかかりました(^_^;) 最後にボーナス曲について。 CD一枚に十分収まるのになんでわざわざ2枚に分ける必要が? と発売前は思ってました。 単価を吊り上げるためかとか(笑) でも実際聴いてみると本編の流れにはハマらない感じの軽い曲ばかりなので、なんか納得しました。 プロデュース担当したハウの越権行為?で本編も含めた中でリードボーカルが3曲もあるし(笑) 流石にデヴィソンとデュエットにはなってますが… 最後にドラムについて。 正直ホワイトは腰を悪くしてライブで数曲しか叩けない状態になって久しいので、不安しかなかったのですが、いつものどっしりとしたリズムが健在だったのは嬉しいですね♫ 近年アルバム毎に進化していたテクニカルなフレーズは流石に影を潜めてますが、随所にアランらしいフィルが出てきて、やはりこれがあるからイエスだなぁと思います。 それとパーカッションでサポートしてるジェイシェレンも随所で貢献しています。 「リヴィングアイランド」の後半で16ビートで刻んでるのが多分そうだと思うのですが、今までのイエスではあまり出てこない展開で新鮮な響きを与えるのに成功していると思います。 そんなわけで、いつもイエスに期待する感じとは違いますが、これはこれでそれなりの満足感があるアルバムでした。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022年02月13日 04時18分31秒
コメント(0) | コメントを書く |
|